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「CSOが影響力を高めるための4つの方法」:予算や権威の限られるChief Sustainability Officerは、どのように影響力を高められるか?4つの方法を示します。

サステナビリティ部門の予算は、通常、マーケティングや研究開発(R&D)部門の予算のほんの一部に過ぎない。どうすれば目標を達成できるだろうか?TRELLISの記事を紹介します。 主なポイント: ・サステナビリティ担当者のうち、企業戦略に大きな影響力を持っていると回答したのは約4分の1にとどまる。 ・大きな変革は、権限と同じくらい影響力によってもたらされるものであり、当初は権限が限られているCSO(サステナビリティ責任者)こそ、影響力を最も必要としている。 ・重要なポイントの一つは、サステナビリティの財務的価値を定量化し、ビジネス部門が既に使用している指標を用いて提示することである。 「十分に長い『てこ』と、それを置く『支点』さえあれば、私は世界をも動かすことができる」と、ギリシャの数学者であり物理学者であるアルキメデスは言った。今日のCSO(Chief Sustainability Officer)たちは、世界を変える責任を任されているが、そのための『てこ』は与えられていない。 かつてCSOの役割は、企業の環境負荷が世界の問題にどのような影響を与え

無形資産/非財務資本を評価し融資する制度がスタート。新しい制度が広く活用され、サステナビリティ経営を促進することに期待

先般、「企業価値担保権」制度が始まりました。事業の将来性や技術力といった目に見えない価値を担保に、銀行などの金融機関が企業に融資する制度です。事業の将来性や技術力といった目に見えない価値を担保に、銀行などの金融機関が企業に融資する制度です。 銀行が企業に融資する場合、土地や建物などの有形資産を担保として設定するのが主流ですが、今後は知的財産、ブランド、顧客基盤などの無形資産を含む事業全体を担保にする「企業価値担保権」が認められるようになります。これまで融資を受けにくかった新興企業の成長や中小企業の再生のための資金需要などに応えやすくなると期待されています。 この無形資産価値の向上は日本企業の課題となっています。1990年代くらいからのポスト産業資本主義社会では、企業の差別化の源泉は知識となり、知的資本やそれを生み出す人的資本の重要性が高まりました。 そのため近年では、企業価値の多くを無形資産が占めるようになり、米国企業(S&P500)では、1975年に17%だった企業価値に占める無形資産の割合が2005年には80%、2020年には90%となってい

レアアースリスクがサーキュラーエコノミーを加速し、イラン戦争がカーボンニュートラルを加速する。地政学とサステナビリティが絡み合う時代には、サステナビリティ経営にもより高度なインテリジェンスが求められる。

サステナビリティ経営においては、“フォーカシング・イベント(Focusing Event)”への感度の高さが重要だ。 フォーカシング・イベントとは、マスコミや市民、政策担当者が急速に社会課題に注目し、対策を進めるきっかけとなる出来事のことで、日米の政権交代なども含む。 サステナビリティを促進することにつながるこれまでのフォーカシング・イベントとしては、以下のようなものがあった。 2018年、鼻にストローが突き刺さったウミガメの動画、餓死したクジラの胃の中から大量のプラスチックごみが出てきた画像などがSNSで広く共有されたことで、海洋プラスチック問題が急速に注目されるようになった。 2017年、フォルクスワーゲンのディーゼル不正問題を受けて、欧州自動車メーカーが、ディーゼル車でCO2規制に対応する戦略が狂い、EVシフトを進めざるを得ない状況になったため、欧州で、2035年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止する合意がなされるなど、急速に自動車の脱化石燃料化、EVの化の動きが進んだ。 2013年、バングラデシュのラナ・プラザ崩落事故で、アパレル

ジョン・コッターの「変革のための8段階のプロセス」は、企業のサステナビリティ経営に向けた変革、国際社会や国家のサステナビリティ推進に向けた変革、人口減少の中で地域を持続可能にしていくための変革など、様々な変革に応用できる。

リーダーシップ論で有名なジョン・コッター、ハーバードビジネススクール名誉教授は、多くの企業が変革に失敗している理由とその成功確率をどう高めるかを研究しました。市場環境の変化が不確実で急速な現代では、組織はそれに適応するために変革していかなければなりません。コッターは、研究結果を「変革のための8段階のプロセス」としてまとめています。 8段階のプロセスは、以下です。 ①危機意識を高める 企業の場合は、市場や競合の状況などのファクトを分析し、自社にとってのリスクや機会を可視化するなどして「危機意識」を共有します。 ②変革推進のための連帯チームを築く 変革をリードするためのスキル、人脈、信頼、評判、権限を備えたチームを築きます。 ③ビジョンと戦略を生み出す 変革に導くためにビジョンを生み出し、ビジョンを実現するための戦略を立案します。簡潔で心躍るビジョンや戦略を描けるかが、変革の成否を左右します。 なお、コッターはビジョンを「将来のあるべき姿を示すもので、なぜ人材がそのような将来を築くことに努力すべきなのかを明確に、あるいは暗示的に説明したもの」と定義し

社会課題解決イノベーションを生み出すインドの価値観「ジュガードの6原則」

先日、私の故郷の氷見市出身の藤子不二雄Ⓐ氏の代表作「忍者ハットリくん」がインドで大人気だと聞いて、何故だろうと調べてみました。 理由としては、 ① 大家族、ご近所関係中心、子どものいたずらなどの内容がインドの多世代同居文化と親和性が高かった。 ② ハットリくんが披露する術は、身近な道具で窮地を脱する創意工夫に満ちており、「限られたリソースの中で知恵を絞る(ジュガード)」インドの価値観と共鳴した。 などがあるようです。 ここで出てきた「ジュガードの精神」は、サステナビリティ経営で重要な社会課題解決イノベーションと親和性の高いものです。ジュガードの精神は、インドで多く生まれている社会課題を創造的に解決するイノベーションの源泉となっていると考えられています。 ジュガードとは、ヒンディー語で「革新的な問題解決の方法」とか「独創性と機転から生まれる即席の解決法」という意味です。ジュガードには、6つの基本原則があります。これら6つの原則は、インド以外でもイノベーション創出のために重要なものです。 原則1【逆境を利用する】 ジュガード起業家は、様々な社会問題な

アップルのサステナビリティはけん引役がいなくなっても進んでいる。経営合理性の観点からオペレーションに埋め込まれたとも言えるが、サステナビリティのリーダーで居続けられるかは不透明だ。

アップルが環境進捗報告書を公開した。2013年にEPA(米国環境保護局)長官からアップルに転じてアップルのサステナビリティを牽引してきたリサ・ジャクソン氏が本年1月に退任し「アップルがサステナビリティから撤退した」と言われていたが、報告書の内容はその見方に反するものだ。 「製品全体のリサイクル素材比率が史上最高の30%に達した。」「全製品パッケージからプラスチックを完全に排除した。」「2015年比で温室効果ガス排出量を60%超削減しながら、同期間に売上が78%成長した。」など、アップルのサステナビリティは着実に進んでいる。 米国の反ESGのトレンドの中で、アップルは役員報酬のESG指標連動部分を廃止し、リサ・ジャクソン氏も退任した。ESGの政治リスクを避けているようにも見える。一方で、これまでにオペレーションに埋め込んだサステナビリティは進んでいる。 アップルはサステナビリティを推進することで、資源使用量を削減しコストを低減している。バージョン素材の使用量を減らしたことで地政学リスクの影響も受けにくくなっている。サステナビリティが経営的にも合理性

シナリオ分析は特定のシナリオに掛けるものではなく、すべてのシナリオに備えたうえで、変化の兆しを感度良く捉えて対応すべきもの

地政学リスク、AIの進化や気候変動の影響など、世界の不確実性は高まる一方です。こうした不確実性の高い状況において、意思決定のツールとして有効なのが、長期シナリオ分析です。未来を確実に予測することは不可能としつつ、自社に影響を及ぼす要因の変化を想定しつつ、起こりうる可能性のある複数の未来(シナリオ)を策定し、意思決定のガイドとします。 シナリオ策定の基本的流れは、以下の通りです。 ① 社会の変化動向をとらえるための情報をPESTLE(Politics, Economy, Society, Technology, Legal, Environment)などのフレームに基づき収集し、その中から自社事業に影響を与える変化要因(ドライビングフォース)を抽出 ②ドライビングフォースの中から、自社事業へのインパクトが特に大きく、不確実性の高いものをシナリオの骨格となるキードライビングフォースとして設定 ③キードライビングフォースの変化の組合せにより複数のシナリオを策定 ④現実がどのシナリオに近づいているかを理解するための先行指標を設定しつつ、各シナリオに対応し

マイクロソフトが炭素除去クレジット購入を一次停止したのは何故か?十分なクレジットを契約済という試算もあるが、データセンターの急拡大に対応できるだろうか?

マイクロソフトはカーボンクレジットを積極的に購入している企業として有名だ。以前調査したときは、世界でシェルに次いで多くのカーボンクレジットを購入していた。シェルが低価格のクレジットを大量に購入していたのに対し、マイクロソフトは、炭素除去クレジットなど高品質・高価格のクレジットを購入していた。2030年までにカーボンネガティブを実現するという目標に真摯に取り組んでいる印象だ。 そのマイクロソフトが炭素除去クレジットの購入を一時停止するという。その背景には何があるのか?以下、TRLIISの記事を参照する。 マイクロソフトの炭素除去クレジット購入一時停止計画の背景にある計算 このテクノロジー大手は、2030年のカーボンニュートラル目標を達成するのに十分なクレジットを蓄積できているのだろうか?その答えは、データセンターの排出量にかかっている。 主なポイント: マイクロソフトは、排出量オフセットのポートフォリオについて「継続的に見直しと評価を行っている」としている。 同社は7,000万単位以上の排出量オフセットクレジットを契約しており、これは他社をはるかに

サステナブルなシューズを提供してきたオールバーズは、事業で失敗して売却されることになったが、天然素材や植物由来素材の製造ノウハウを公開し、業界をサステナブルに進化させるという功績を遺した。

世界で初めてネット・ゼロカーボン(CO2換算排出量0kg)を実現した、サステナブルなシューズを開発・提供してきたオールバーズが売却されることになった。個人的にも愛用しており、やや高めだがデザインや履き心地は悪くないと思っていたので残念だ。 オールバーズについて書いた最近のTRELLISの記事があったので日本語で紹介する。これを読み限りは、オールバーズは業界をサステナブルに進化させることには貢献したが、今後オールバーズの理念が維持されるかは不透明だ。 (以下、TRELLIS記事) 天然素材へのこだわりと、競合他社への低炭素生産手法の公開に積極的な姿勢で知られるシューズブランド「オールバーズ」が、3,900万ドルで売却された。これは、2021年の上場当日の企業価値40億ドルに比べれば、ごくわずかな金額に過ぎない。 エド・ハーディやエアロソールズなどのファッションブランドを運営するアメリカン・エクスチェンジ・グループへの資産売却は、オールバーズの株主による承認を条件としている。問題がなければ、この取引は第2四半期中に完了する見込みだ。...

中東情勢悪化により石油市場が混乱する中、「デコ活」により石油・ガスの使用量削減を促進する流れがあっても良いのでは。

中東情勢の悪化による石油市場の混乱が消費者に与える影響を緩和するため、IEAが政府や企業、家庭が実施可能な石油・ガス使用量削減のための以下10の措置を提案した。 1. 可能な限り在宅勤務を行うこと。 2. 高速道路の速度制限を少なくとも時速10キロメートル引き下げること。 3. 公共交通機関の利用を促進すること。 4. 大都市では、自家用車の道路利用に関してナンバープレートによるローテーション制度を導入すること。 5. カーシェアリングの拡大と、環境負荷の軽減に配慮した効率的な運転手法を採用すること。 6. 商用車および貨物輸送における効率的な運転(運転技術の向上、車両のメンテナンス、積載量の最適化など)を採用すること。 7. LPガスとガソリンを併用する車両では、燃料をガソリンに切り替えLPガスを調理など生活・必須用途向けに優先的に確保し、LPガスの輸送用途からの転換を行うこと。 8. 代替交通手段がある場合は航空機の利用を避けること。 9. 可能な限り、調理方法はLPガスを利用するものから、電気調理など近代的なものに切り替えること。...

スポーツとサステナビリティの関係とは?「健康や福祉の増進」「DE&I推進」に貢献するほか、「猛暑によるスポーツの制約」に対応していく必要もある。

スポーツとサステナビリティの関係を考えてみる。 スポーツは、「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」で「スポーツは持続可能な開発における重要な鍵となるものである」と記載されているように、サステナビリティを促進する力を持っている。SDGsとの関係で言えば、SDGs目標3「健康と福祉の推進」には直接的に貢献する。人種、ジェンダー、経済格差を超えて一体感を醸成するスポーツは、SDGs目標5「ジェンダー平等の実現」、SDGs目標10「不平等をなくす」にも貢献する。また、スポーツを通じて環境問題などへの啓発を行うこともできる。 日本サッカー協会のHPでも以下のように記載されている。 -スポーツは、年齢、性別、人種、国籍、障がいの有無などに関係なく、だれもが、いつでも、どこでも楽しむことができ、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)を促進することができます。」 -スポーツは、世界中の若者を惹きつけ、一人ひとりの心身の健全な発達に役立ちます。 -スポーツは、環境保全や犯罪防止、災害からの素早い回復や子どもの貧困対策といった、様々な課題解決のツ

「1,100件のCSRD報告書からの学び」。欧州の開示規制により、サステナビリティ報告書はより分厚く、標準化が進んだ。ベンチマークは容易になったが、企業が独自のストーリーを構築する余地は狭まっている。第三者検証は、四大監査法人を活用。

EU規制が改正され、CSRDの適用対象となる企業数が大幅に減り、報告書の提出期限も延期された。しかし、多くの大企業は、以前の指令で求められていた通り、すでにCSRD報告書の提出を開始していた。 現在、欧州各地の研究者たちが、無料で利用できる”Sustainability Reporting Navigator”に、こうした報告書を1,100件以上集めている。サステナビリティ専門サイトのTRELLISがケルン大学の財務会計の専門家ミュラー氏に、これまでに提出された報告書から彼と同僚たちがどのような知見を得たのかを尋ねた。 これらは、一般的なサステナビリティ報告書とは一線を画すものだ サステナビリティ報告の分野は、いまだに「無法地帯」のような状態だ。GHGプロトコルの排出量算定ガイドラインなど、多くの企業が従う一般的なルールは存在するが、それらは主に任意のものだ。また、そうしたルールを超えて、企業は自社のニーズに合わせて、排出原単位などの特定の指標を策定し、優先順位をつける裁量を持っている。 対照的に、CSRDはコンプライアンス制度であり、規則に違反

収支トントンで社会にインパクトを生み出すソーシャルビジネスをどう考えるか?財務+非財務のリターンが資本コストを超えることを目指すべきか?

先日、サステナブルブランド国際会議でLIXILのソーシャルビジネスの話を聞いた。 LIXILは2011年、INAXやトステムなど主要メーカー5社が統合して誕生したが、LIXILとしての求心力として「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というパーパスを策定した。このパーパスを体現するものとして生まれたのが、LIXILのソーシャルビジネスである簡易式トイレ「SATO Pan」だ。 世界では、安全に管理された衛生設備を利用できない人が34億人に上り、衛生環境に起因する疾患により、毎日1000人以上の子どもたちが命を落とし、3億5400万人が野外排せつを余儀なくされているという。「SATO Pan」は、この課題を解決するために開発された。数ドルという安価な製品ながら、少量の水とカウンターウェイトによって弁が自動的に開閉する仕組みを持ち、ハエなどの虫や悪臭を遮断する。 LIXILは、このSATO Panを無償で寄付するのではなく、ソーシャルビジネスとして展開している。「寄付は即効性があるものの、業績が悪化すれば予算が削られるなど、一時的な解決策に

コーポレートガバナンス・コードの改訂を機に、サステナビリティ方針を見直すべきではないか。

先般金融庁が提示したコーポレートガバナンス・コード(CGC)改訂案では、サステナビリティに関する記述を「第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働」から「第4章 取締役会等の責務」に移管し、原則で「取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティを巡る課題に積極的・能動的に取り組むべき」と規定している。これまでの「上場会社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題について、適切な対応を行うべき」という規定に比べて踏み込んだ内容となっている。 サステナビリティが重要な経営課題であり、中長期的な企業価値を判断する上でサステナビリティ情報が重要であるとの認識が広まり、ISSB基準が各国で適用されていることなどを踏まえ、サステナビリティのコーポレートガバナナンス上の位置付けを格上げしたものと言える。 CGC改訂案では、原則で「自社のサステナビリティを巡る取組みについて基本的な方針を策定するほか、適切な対応を行うべき」とも規定している。 CGC改訂案はサステナビリティの基本的な方針の策定を求めているが、これまで「日本企

IPBES報告書がビジネス環境のCSVを提唱

「生物多様性と自然」に関わる科学的評価を実施するIPBES(気候変動におけるIPCCに該当)が、初めてビジネスに焦点を当ててまとめた「ビジネスと生物多様性評価報告書」の政策決定者向け要約が発表された。 2026年10月にはCOP17が開催され、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)の中間レビューが行われる。2030年目標に向けた折り返し地点となるこのタイミングで発表された報告書は、企業や政府などが生物多様性の現状を評価し、さらなる行動を加速させる上で重要なメッセージを含む。 IPBES報告書は、産業革命以降の急速な自然の損失の主たる原因は、急速な経済発展の中核であるビジネス活動にあるとしている。一方で、企業によるTNFDにもとづく情報開示行われているが、実質的な取り組みは進んでいない。 企業の取組みが進まないのは、自然を破壊する経済活動への補助金の存在など、企業活動が自然の損失につながるインセンティブが支配的で、自然資本を保全するインセンティブがないためだ。(報告書は、自然に負の影響を及ぼす資金は約7.3兆ドルである一方、自然に正の影響を及

「京浜工業地帯の父」浅野総一郎は、サーキュラーエコノミーの先駆者でもあった

私の故郷である富山県氷見市出身の偉人として真っ先に名前があがるのは浅野総一郎です。明治維新から日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦という激動の時代に、この先日本にとって必要となる事業は何か考え、石炭、セメント、海運、造船などの事業を次々と立ち上げ、京浜工業地帯の礎を築き、「京浜工業地帯の父」と呼ばれています。 浅野総一郎は、「九転十起の人」とも呼ばれ、失敗してもくじけない、不屈の精神でも知られています。浅野総一郎はまた、「世の中には無用なモノはない」という精神も持っていました。総一郎は、「大根の切れ端でも漬物になる。この世で利用価値のないものはない。自分は廃棄物利用の天才だ」と言っていたそうです。今でいえばサーキュラーエコノミーにつながる考え方です。 浅野総一郎が事業家として飛躍するきっかけとなったのは、この精神にもとづく廃棄物の活用、石炭の営業先である横浜ガス局が処理に困っていたコークスの活用です。ガスを製造するために石炭を蒸し焼きにすると残骸としてコークスが大量に発生します。また石炭から出るガスを精製する際にはコールタールが残留物となります。横

2026年のサステナビリティ戦略。サステナビリティが企業価値につながる事例が増える一方で逆風も吹く時代、企業は全力疾走すべき時、減速すべき時、小さな一歩を踏み出すべき時を見極めて柔軟に対応することも必要

サステナビリティが企業価値につながる事例は増えているが、一方で反ESGの動きもある。こうした時代において、企業はどのようにサステナビリティ戦略を舵取りすべきか。TRELLISの記事を紹介する。 2025年が明らかにし、2026年がすでにサステナビリティに関して再確認していることは、「緊張とトレードオフ」が常にサステナビリティ経営の核心であり、そして近い将来もそうあり続けるだろうことだ。 サステナビリティは常に浮き沈みを繰り返してきた。しかし、2020年代初頭の主流化から現在の極端な政治的反発への移行は、基盤を揺るがすものとなっている。 昨年、我々は 『2025年のサステナビリティ戦略の立て方』 を発表し、この分野が経験したことのない時代に企業がいかに戦略的であるべきかを考察した。調査の結果、我々が「Sustainability Tension Management」と呼ぶ能力—利益(Profit)、環境(Planet)、人々の幸せ(People)のバランスを最適化する方法について戦略的な選択を行う能力—が不可欠であることが明らかになった。リーダー

サーキュラーエコノミーの不都合な真実

先日の日経ビジネスに「循環型経済の『不都合な真実』」という記事が掲載されている。同記事によれば、サーキュラーエコノミーは、以下のような課題を抱えている。 リサイクルは環境負荷を増やすことがある。 製品や資源を回収して再利用するには、エネルギーと新しい資源が必要で、リサイクルするより新しく作ったほうが環境負荷の低い場合もある。コンクリートについて、EUは解体廃棄物のリサイクルによってセメント需要を5~15%減らせると想定していた。しかしケンブリッジ大学の報告によれば、「コンクリートを砕いて骨材として再利用すると、従来の骨材を使うよりも多くのセメントが必要になることが多い」「リサイクルによる資源節約効果は、品質の低い材料を再加工するために投じる追加エネルギーコストで帳消しにされる」という。 リサイクルが増えても資源の消費量は減らない 現状では、廃棄物の総量よりも消費資源の総量のほうが多く、すべての廃棄物100%リサイクルできたとしても、新しい資源の投入が必要となる。リサイクルは、消費拡大という根本問題の解決策にはならず、「リサイクルしているから大丈夫

マイクロソフトがデータセンターの負の影響に対応し、地域の電力料金を上昇させない、水使用を最小限とし使用する以上の水を補充するなどのコミットメントを発表。負の影響がもたらすリスクへの迅速な対応はサステナビリティ経営の参考となる。

AIが急速に普及する中、そのインフラとしてのデータセンターの建設も急速に進んでいる。しかし急速な変化は必ず負の影響ももたらす。データセンター建設に関しては、日本国内でも排熱、排気、排水、騒音、日照権などへの懸念から一部地域で反対運動が起こり、計画が頓挫している。 米国では、2025年に25件のデータセンタープロジェクトがキャンセルされており、2024年の6件から大きく増加している。反対の最も大きな要因は水使用で、反対のある地域の40%で争点となっている。次いでエネルギー消費と電気料金の上昇が反対要因となっている。 こうした動きを受けて、マイクロソフトは、AIインフラの成長は地域との信頼関係がなければ成り立たないとして、「コミュニティ・ファーストAIインフラ計画」を発表した。この計画・イニシアチブは、以下の5つのコミットメントから構成される。 1. データセンターが地域の電気料金を上昇させないよう必要なコストを支払う。 2. 水使用を最小限とし使用する以上の水を補充する。 3. 地域のための雇用を生み出す。 4. 地域の病院、学校、公園、図書館のた

2026年のサステナビリティは、地政学的分断、AI普及の影響を受けて、気候変動への適応、淡水需要への対応、サプライチェーンのレジリエンス、自社ならではの考えにもとづくサステナビリティ経営・情報開示などが重要となる。

2026のサステナビリティトレンドに関する情報が共有されている。多くは今年1年というよりは、今後のトレンドを示している。サマライズすると以下のような感じだろうか。 【ドライバー】地政学的分断、AIの普及 【重要となる取り組み】気候変動への適用、エネルギー政策、淡水需要への対応、労働力の確保、サプライチェーンのレジリエンス、自社ならではの考えに基づくサステナビリティ経営・情報開示 ① 地政学の影響で国家・地域間でサステナビリティの取組みが分断化され、その結果グローバルでの気候変動緩和の歩みが弱まり気候変動への適応が重要となる。 ② AIの普及による電力需要増加、米国などの再エネ反対・化石資源活用の動きと中国の再エネ技術の進化の中、地政学要因も踏まえたエネルギー政策が重要となる。 ③ AIとデータセンターの拡大がエネルギーに加え水需要を増加させ、水不足や食料システムへの影響が懸念される。 ④ DE&I反対、移民排斥などの流れがある中、高齢化が進む社会で労働力をいかに確保するがが課題となる。 ⑤ 地政学的分断と気候変動の影

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