top of page

ミルトン・フリードマンに関するいくつかの視点。サステナビリティや新しい資本主義の議論にあたっては、新自由主義の功もしっかり理解する必要がある。

サステナビリティやステークホルダー資本主義の議論になると、必ず新自由主義の象徴とも言えるミルトン・フリードマンが引用されます。 拙著「サステナビリティ -SDGs以後の最重要戦略」でも、フリードマンの「企業経営者の 使命は株主利益の最大化であり、それ以外の社会的責任を引き受...

ジャニーズ問題は、ビジネスと人権について考える良い機会

最近は、ジャニーズのニュースを見ない日はありませんが、この問題は、企業が人権への対応を考える良い機会となっています。 9/7のジャニーズ事務所の会見を受けて、アサヒグループHDは、いち早くジャニーズ事務所のタレントを広告に起用しない方針を発表しました。勝木社長は、ジャニー氏...

非財務・財務の関係性を示す方法・ツールは、将来の価値創造、そのためのマネジメントに生かさなければ意味がない

最近は、ESGの文脈で非財務と財務の関係性を分析することが流行っているようだ。ESGの取り組みと企業価値との相関関係を重回帰分析するツール、非財務要素がどう財務価値につながるかの因果関係をロジックツリーのように示す方法などが提示されている。...

反ESGの嵐が吹き荒れるときこそ、本物のサステナビリティ企業かどうかが問われる

最近は、米国を中心にESGに逆風が強まっているようだ。フロリダ州では、反ESGの急先鋒であるデサンティス知事主導で、州関連の年金基金の運用や地方債の発行、州政府の物品やサービスの調達などでESGを考慮することを事実上禁じる「反ESG法」が成立した。テキサス州では、化石燃料に...

カーボンクレジット10の原則:カーボンクレジットは正の外部性を促進する有効な施策だが、カーボンニュートラルに向けて企業が安易に依存できるものではない。

GHG排出増加による温暖化・気候変動、生態系破壊などのサステナビリティ課題は、企業を中心とした経済活動がもたらすマイナスの影響、負の外部性です。この基本的解決策としては、外部性を生み出している経済主体に、そのコストを負担させる「内部化」があります。炭素税などは、GHGを排出...

影響力の大きい企業を動かす!NGOの戦略的アプローチ

最近は、GAFAM(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ)にテスラ、エヌビディアを加えた7社をマグニフィセント・セブンと言うそうだ。今年度初頭から米国株式市場をけん引しており、売上でもS&P500指数構成銘柄の500社の約10%を占める。その影響の大きさ...

サステナビリティが目指すドーナツ経済的世界観         WBCSDビジョン2050

今般出版した書籍でも述べていますが、「サステナビリティ」が目指す世界は、「すべての人々が平和と一定の豊かさのもと潜在能力を発揮でき、地球への負荷が再生可能な範囲に収まっている世界」といった感じのものです。これは、一定の豊かさを満たしつつ(基本的なニーズが満たされない内側の円...

ステークホルダー資本主義のジレンマ  -ステークホルダー資本主義がSXを妨げる-

最近、米国で反ESGの動きが目立つ。共和党の影響力が強い州では、気候変動や人種的平等に配慮した投資を行っている運用会社からの資金引き揚げを政府年金基金に義務付ける法律が可決している。こうした反ESGの思想的背景には、「ESGは政治、経済や市場に政治を持ち込んではならない、投...

天ぷらバスとネステの話 -SXで成功するには、洞察力と意思決定の速さが必要-

2011年3月の東日本大震災の発生直後、いてもたってもいられず、当時の勤務先で何か支援すべきと話し合い、1月後に、クライアント企業のCSR担当者などに参加してもらい、ボランティアツアーを実施しました。ツアーは、被災地支援のノウハウを持つピースボートの元メンバーが会社いたこと...

世界のパーパスと企業のパーパスを結び付ける

企業は、何故サステナビリティに取り組む必要があるのか?気候変動、生物多様性喪失や海洋プラスチックなどの環境問題、貧困や格差、差別などの社会問題に対し、それを生み出している現在の経済活動の主体である企業は、責任をもって対応する必要がある。...

SDGsをビジネス機会とするためには、思考の広がりが必要だ。

SDGsはビジネス機会になると言われるが、それは、世界がSDGsを達成しようとした場合、政策転換、大規模投資がなされ、新しく大きな市場が生み出されるという、希望に基づく仮定にすぎない。そもそもSDGsは、既存の社会・経済システム、ビジネスにおいて未解決の問題の集合体だ。基本...

サステナビリティ経営戦略を考える

企業がサステナビリティ経営戦略を考える場合、基本は「企業がサステナビリティに取り組む3つの原則」への対応となる。 まずは、3つの原則の観点から、サステナビリティ経営の軸なるマテリアリティを特定する。そして、マテリアリティにどう取り組むか、施策、戦略を考える。ここでも「企業が...

アンモニアの推進には、バリューチェーンへの目配せが欠かせない

サステナビリティ推進にあたっての基本の1つは、バリューチェーン全体で考えることです。企業が新たな取り組みを進める場合は、グローバルの3大サステナビリティ課題である気候変動、生物多様性/自然資本、人権を中心に、バリューチェーン全体の環境・社会的影響を考慮する必要があります。...

昆虫食への関心を、昆虫食普及の機会にできるか。

徳島の高校でコオロギパウダーを使った給食を試食で出したことをきっかけに、昆虫食が大きな話題となっています。Twitterなどでは反対意見が圧倒的に多く、理由としては、生乳廃棄や人口減少などの国内事情を踏まえてたんぱく質不足対策としての昆虫食は必要ない、アレルギーなどのリスク...

3つの循環を強化する価値創造ストーリーを描く

サステナビリティと経営、非財務と財務を統合して情報開示するツールとして、統合報告がある。統合報告は、サステナビリティ経営に取り組む原則3「自社事業、バリューチェーンに影響を及ぼす課題に対して、戦略的に対応する」を中心に、社内外のステークホルダーにサステナビリティに取り組む経...

EUタクソノミーを自社のサステナビリティのチェックリストに応用する

EUタクソノミーは、投資家の視点で、企業活動がサステナブルなものかを判定するための枠組みだが、EUタクソノミーの考え方は、企業が自らの活動がサステナブルなものであるかを判断するチェックリストにも応用できる。 ブルームバーグ等が、EUタクソノミーとの整合を判断する以下のアプロ...

企業価値と社会価値を両立するCSVの実現には、社会貢献活動を通じた知の探索も有効だ

最近は、イノベーション創出のために幅広い知識と深い知識を両立させる「両利きの経営」が注目されている。イノベーションが「既存知識の組合せ」だとすれば、イノベーション創出のためには、幅広い多様な知識を持つことが有効だ。一方で、幅広く多様な知識がただ存在しているだけではイノベーシ...

スコープ4と気候変動ロビー活動への監視の強まり

スコープ4という言葉を見かけるようになった。温室効果ガス排出量を算定する範囲を定義するスコープ1(自社による直接排出)、スコープ2(購入電力等による間接排出),スコープ3(スコープ1,2以外のバリューチェーンによる排出)に続く概念だ。...

「サステナビリティ」は、これからのビジネスパーソンの基本スキル。日本政府は、他国に先行してサステナビリティ人材を政策的に育成してはどうか。

「サステナビリティ」は、これからのビジネスパーソンの基本スキルになると思う。 最近は、英語、ファイナンス、IT などがビジネスパーソンの基本スキルとされている。ビジネスパーソンに求められる基本スキルは、社会や市場の変化に対応する。...

本物のサステナビリティ経営の要諦

本物のサステナビリティ経営の要諦とは何か?以下に整理してみる。 【サステナビリティは、「先導」してこそ価値がある。】 もし社内に、「競合より先に取り組むと損をする」という考えがあるとすると、基本的にサステナビリティをコストと考えているという証左ではないか。確かに、サステナビ...

bottom of page