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水上武彦の
サステナビリティ経営論
サステナビリティとサステナビリティ経営の変遷。1990年代の環境経営、2000年代のCSR経営、2010年代のESG経営を経て、反ESGの動きもある中2020年代のサステナビリティ経営はどう進化するか?
サステナビリティおよびサステナビリティ経営が歴史的にどう進化してきたか、改めておさらいする。 サステナビリティは経済成長の負の側面としての環境問題への対応からはじまった。1962年にはレイチェルカーソンが「沈黙の春」で化学物質の汚染問題を提起している。日本でも1950年代後半から1970年代の高度経済成長期において、工場などから発生した有害物質によって公害病が引き起こされた。WWFやグリーンピースが設立されたのもこの時代だ。 1972年には、ローマクラブが「成長の限界」を発表し、資源と地球の有限性に着目してコンピューターシミュレーションを行い「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」と警鐘を鳴らしている。同年には、環境についての世界で初めての大規模政府間会合「国際連合人間環境会議」が開催された。 1970年代には地球温暖化も科学者の間で注目されるようになり、1985年に初めての地球温暖化に関する世界会議が開催され、1988年にIPCCが設立された。 サステナビリティの考え方については、1987年に「環
takehikomizukami
2 日前読了時間: 4分
「生産性と人間性をどう両立するか」「成功できるかではなく、役に立てるかを人生の軸とせよ」サステナビリティ経営や生き方に重要な示唆を与えるP.F.ドラッカーとジム・コリンズの対話
経営にサステナビリティを統合するうえでの理論的支柱となっている代表的経営思想家として、P.F.ドラッカー、ジム・コリンズがあげられる。 ドラッカーは、 「マネジメントには、自らの組織をして社会に貢献させる上で三つの役割がある。①自らの組織に特有の使命を果たす、②仕事を通じて働く人たちを生かす、③自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献することだ」 というサステナビリティ経営の基本となる考え方を提示している。 コリンズは、 「ORの重圧をはねのけ、ANDの才能を活かす」「基本理念を維持し、進歩を促す」「社運をかけた大胆な目標(BHAG)」「針鼠の概念」「10X型リーダー」「20マイル行進」「銃撃に続いて大大砲発射」 というサステナビリティ経営を進めるうえで重要なコンセプトを提示している。 その2人の対話についてコリンズが語っている。「ビジョナリー・カンパニー」を出版したばかりのころ、コリンズはドラッカーと会う機会があった。実際に会ったのはその1日だけだが、その1日がコリンズの生き方を決定づけたという。 ドラッカーの家は質素で
takehikomizukami
1月2日読了時間: 4分
サステナビリティリーダーは2026年に何をすべきか?
2025年の初頭、チーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)に主な役割を尋ねた場合、「変革を推進し続け、経営陣の理解を得て、サステナビリティを企業経営に統合するためのビジネスケースを構築すること」だった。今後の数年間は、こうした路線が維持される見通しだった。 この見通しは正しく、企業によるサステナビリティへの取り組みは、金融・政治・社会面で大きな逆風に見舞われながらも、ほぼ変わらない水準を維持している。実際、多くの企業が取り組みを深化させている。しかしサステナビリティの業務全体に影響を及ぼす2つの重要な転換点があった。 第1に、メッセージングの重点が外部コミュニケーションから内部コミュニケーションへと移行している。取り組み自体は継続されているものの、現状の環境下でそれを推進しようという意欲は減退し、その方向性も劇的に変化した。気候変動への取り組みや社会インパクトを外部に強調する代わりに、現在のコミュニケーションはより内部に焦点を当て、ビジネス上の利益を重視するようになっている。 第2の関連する変化は、サステナビリティが組織内で主に法的・規制上
takehikomizukami
2025年12月26日読了時間: 5分
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