top of page

サステナビリティとESGを分けて考えることが必要な理由

takehikomizukami
2024年9月20日
読了時間: 2分

更新日:2024年9月21日


「サステナビリティ」と「ESG」は本質的に異なる概念で、区別して考えたほうが良い。


「サステナビリティ」の背景には、気候変動、生態系破壊、格差など、このままでは世界は持続可能ではないのではないかという懸念がある。サステナビリティ経営では、世界のサステナビリティを実現するために、環境制約の範囲内で真に豊かな社会をどう築いていくか、そのために企業はどう貢献すべきかが問われている。


サステナビリティにおいては、ESGではなく、環境・社会と経済をバランスさせるトリプルボトムライン(環境・社会・経済)が重視されている。サステナビリティを世界共通の目標に落とし込んだSDGsの概念図であるウェディングケーキモデルは、環境・社会・経済で構成されており、SDGsが目指す世界を示すキーワードである5P(People, Prosperity, Planet, Peace, Partnership(パートナーシップ))は、これに平和とパートナーシップを加えている。企業経営においては、経済的利益を追求しつつも社会・環境課題にどう対応していくかが問われる。


サステナビリティは、「世界のサステナビリティ」を目指すものだが、企業経営の文脈では、「企業のサステナビリティ」という言い方をすることもある。しかしながら、「企業のサステナビリティ」などと言うと本来のサステナビリティ経営とは異なるものになってしまうので、個人的にはこういう使い方はしないほうが良いと考えている。


「ESG」は、現在は「企業のサステナビリティ」に近い意味で使われている。E(環境)S(社会)G(ガバナンス)への取り組みを通じて「企業価値をどう持続的に高めていくか」が問われている。企業価値の持続的向上のためにはガバナンスが重要なので、環境・社会・経済ではなく、環境・社会・ガバナンスとなっている。


個々の企業経営においてESGは当然重要だが、世界全体で考えると「サステナビリティ」こそが喫緊の課題だ。自社の企業価値だけでなく、世界にどう貢献できるか、貢献すべきかを考える企業が増えることが期待されている。そのためにも、「サステナビリティ」と「ESG」は分けて考える必要がある。

 
 
 

最新記事

すべて表示
CGコード改訂が示すサステナビリティ経営の新機軸

2026年に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(CGコード)は、形式的な順守から実効性のあるガバナンスへの転換を強く打ち出しました。サステナビリティに関する規定が「株主以外のステークホルダーとの適切な協働」から「取締役会等の責務」へ移されたことは、その象徴です。サステナビリティは、もはや社会への配慮にとどまらず、取締役会が中長期的な企業価値の向上に向けて担うべき経営課題として位置付けられたの

 
 
 
「サステナビリティ2.0」の必要性-サステナビリティは、会計モデルなどの現在の5つの主要モデルを超えて、新しいビジョンを構想する必要がある。

TRELLISの記事より。 サステナビリティは転換点を迎えている。現在主流となっている5つのモデル―会計的アプローチ、ロールバック、権力政治、反企業的アプローチ、キャリア志向型―には、それぞれ重大な限界がある。「サステナビリティ2.0」では、基本原則を再確認し、インセンティブを創出し、サステナビリティを事業戦略や業務に統合すべきである。 サステナビリティの5つの主要モデル 「会計モデル」 このモデ

 
 
 
幸福感を高めるお金の使い方とCSVの機会

幸福感を得るためのお金の使い方について纏めた「Happy Money: The Science of Smarter Spending」という書籍があります。 この本では、幸福感を上げるためのお金の使い方として、①「物ではなく体験を購入しよう(Buy Experiences)」、②「特別なご褒美にしよう(Make it a Treat)」、③「心に余裕を持てるよう時間を買おう(Buy Time)」

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page