top of page

サステナビリティ人材には、世界の持続可能性への貢献と自社の長期的企業価値向上という2つの目的が混ざった曖昧な概念を受け入れて、状況に応じて使い分ける「ネガティブ・ケイパビリティ」が必要だ。

takehikomizukami
2025年12月13日
読了時間: 2分

以前、サステナビリティ経営の目的は2つあると書いた。「世界の持続可能性に貢献すること」と「長期的に企業価値を向上すること』だ。本質的には、企業がサステナビリティに取り組む目的は「世界あるいは人類の持続可能性に貢献するため」だ。しかし、多くの企業を巻き込むには「サステナビリティは企業価値を長期的に高める」という認識を広げることが必要ということから始まり、政策や市場の変化も相俟ってサステナビリティ経営を通じた企業価値向上の可能性も以前より高まっていることから、サステナビリティ経営の目的を「長期的に企業価値を高めること」と考える人も増えているだろう。


実際のサステナビリティの取組みは、2つの目的が混ざった曖昧なものとなっている。サステナビリティ経営により企業価値を高めると言いつつ、社会的要請に対応して必ずしも企業価値に直結しないCO2排出削減や人権対応などを進めている。


以前のブログでは、サステナビリティ経営の目的は明確にしたほうが良いと書いたが、実際のサステナビリティ経営は2つの目的が混ざった状態で進められていくとすると、曖昧な状況を受け入れつつ両方の目的を着実に前に進めていくことが必要となる。


そう考えると、サステナビリティ人材のコンピテンシーとして、曖昧な状況を受け入れて状況に応じて使い分ける「ネガティブ・ケイパビリティ」が重要なのかもしれない。


サステナビリティ人材のコンピテンシーとしては、「システム思考」「外部コラボレーション」「ソーシャル・イノベーション」の3つのスキルと「サステナビリティ・リテラシー」「アクティブ・バリュー」の2つの知識の5つがあげられている。


全体像を捉える「システム思考」、様々なステークホルダーと協働する「外部コラボレーション」、サステナビリティを成長機会と捉える「ソーシャル・イノベーション」、社会・環境のトレンドとビジネスとの接点に関する知識「サステナビリティ・リテラシー」、大きな目的に向けて多様性を受容する「アクティブ・バリュー」。


「ネガティブ・ケイパビリティ」をこれに追加しても良いだろう。


 
 
 

最新記事

すべて表示
CGコード改訂が示すサステナビリティ経営の新機軸

2026年に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(CGコード)は、形式的な順守から実効性のあるガバナンスへの転換を強く打ち出しました。サステナビリティに関する規定が「株主以外のステークホルダーとの適切な協働」から「取締役会等の責務」へ移されたことは、その象徴です。サステナビリティは、もはや社会への配慮にとどまらず、取締役会が中長期的な企業価値の向上に向けて担うべき経営課題として位置付けられたの

 
 
 
「サステナビリティ2.0」の必要性-サステナビリティは、会計モデルなどの現在の5つの主要モデルを超えて、新しいビジョンを構想する必要がある。

TRELLISの記事より。 サステナビリティは転換点を迎えている。現在主流となっている5つのモデル―会計的アプローチ、ロールバック、権力政治、反企業的アプローチ、キャリア志向型―には、それぞれ重大な限界がある。「サステナビリティ2.0」では、基本原則を再確認し、インセンティブを創出し、サステナビリティを事業戦略や業務に統合すべきである。 サステナビリティの5つの主要モデル 「会計モデル」 このモデ

 
 
 
幸福感を高めるお金の使い方とCSVの機会

幸福感を得るためのお金の使い方について纏めた「Happy Money: The Science of Smarter Spending」という書籍があります。 この本では、幸福感を上げるためのお金の使い方として、①「物ではなく体験を購入しよう(Buy Experiences)」、②「特別なご褒美にしよう(Make it a Treat)」、③「心に余裕を持てるよう時間を買おう(Buy Time)」

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page