top of page

サステナビリティの本格推進に向け、サステナビリティ人材をどう獲得するか

  • takehikomizukami
  • 2020年11月21日
  • 読了時間: 3分

日本でもサステナビリティを本格的に推進しようという企業が増えています。しかし、海外企業に比べるとその推進力に物足りなさを感じます。その一つの原因は、人材不足でしょう。


日本企業がサステナビリティを本格化しようとする場合、基本的にはトップの考えに基づきます。トップがサステナビリティ推進の号令をかけるのですが、その受け皿は、既存のサステナビリティ部門か、経営企画などになります。


トップが既存のサステナビリティ部門に取組み強化を命じる場合、既存のサステナビリティ担当者が主導することになります。既存のサステナビリティ担当者の中には、長くサステナビリティを担当しており、知識が豊富でサステナビリティ領域のネットワーク(基本的に国内のネットワークに限られますが)を持つ人もいます。しかし、これまで事業部門を巻き込めていなかったサステナビリティ担当者が、トップの号令があるとしても、事業部門を本質的に巻き込んでいくのは容易ではありません。そのため、形式的な活動強化によりESG評価などは少し上がるかも知れませんが、本格的なサステナビリティ推進には至らないというのが、よくあるパターンです。


経営企画などに取組み強化が下りてくる場合、担当者がにわか勉強して取組みを進めるわけですが、サステナビリティの本質的な部分を理解せず、こちらも形式的な取り組みに留まるのが、よくあるパターンです。


やはり、長くサステナビリティをやってきたとしてもその世界にどどまってきた既存のサステナビリティ担当や、サステナビリティに対する熱意や専門性がない経営企画担当が主導しても、サステナビリティを本格的に推進するのは難しいと思います。


では、どうするか。海外では、外部からサステナビリティ領域のリーダー人材を採用し、チーフ・サステナビリティ・オフィサーなど、役員クラスに据えるということが良く見られます。


アップルは、サプライヤーを巻き込んだ再生可能エネルギー100%を推進するなど、すっかりサステナビリティの先進企業になっていますが、それをけん引しているのは、元米国環境保護庁長官のリサ・ジャクソン環境·政策·社会イニシアティブ担当副社長です。2009 年から2013 年までオバマ政権で環境保護庁長官として、温室効果ガス削減政策等を進めたジャクソン氏は、その知識やネットワークを活用して、アップルを本格的なサステナビリティ企業に変革させています。


「日本にはそんな人材はいない」という声も聞こえてきそうですが、人材は、その気になれば海外からも採用できます。


サステナビリティを本格的に推進しようとするのであれば、政府やNGO経験者なども含め、サステナビリティ・リーダーを採用し、権限のあるポジションに据えることは、欠かせないでしょう。

 
 
 

最新記事

すべて表示
無形資産/非財務資本を評価し融資する制度がスタート。新しい制度が広く活用され、サステナビリティ経営を促進することに期待

先般、「企業価値担保権」制度が始まりました。事業の将来性や技術力といった目に見えない価値を担保に、銀行などの金融機関が企業に融資する制度です。事業の将来性や技術力といった目に見えない価値を担保に、銀行などの金融機関が企業に融資する制度です。 銀行が企業に融資する場合、土地や建物などの有形資産を担保として設定するのが主流ですが、今後は知的財産、ブランド、顧客基盤などの無形資産を含む事業全体を担保にす

 
 
 
レアアースリスクがサーキュラーエコノミーを加速し、イラン戦争がカーボンニュートラルを加速する。地政学とサステナビリティが絡み合う時代には、サステナビリティ経営にもより高度なインテリジェンスが求められる。

サステナビリティ経営においては、“フォーカシング・イベント(Focusing Event)”への感度の高さが重要だ。 フォーカシング・イベントとは、マスコミや市民、政策担当者が急速に社会課題に注目し、対策を進めるきっかけとなる出来事のことで、日米の政権交代なども含む。 サステナビリティを促進することにつながるこれまでのフォーカシング・イベントとしては、以下のようなものがあった。 2018年、鼻にス

 
 
 
ジョン・コッターの「変革のための8段階のプロセス」は、企業のサステナビリティ経営に向けた変革、国際社会や国家のサステナビリティ推進に向けた変革、人口減少の中で地域を持続可能にしていくための変革など、様々な変革に応用できる。

リーダーシップ論で有名なジョン・コッター、ハーバードビジネススクール名誉教授は、多くの企業が変革に失敗している理由とその成功確率をどう高めるかを研究しました。市場環境の変化が不確実で急速な現代では、組織はそれに適応するために変革していかなければなりません。コッターは、研究結果を「変革のための8段階のプロセス」としてまとめています。 8段階のプロセスは、以下です。 ①危機意識を高める 企業の場合は、

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page