top of page

便利な物質が急増したら、その影響に感度を高めるべき

  • takehikomizukami
  • 2019年10月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:2019年11月3日

C+O2→CO2。誰でも知っている化学反応式です。人類が火を発明して以降、この化学反応が増え、特に化石燃料を燃やして大量のエネルギーを使うようになった産業革命以降は、急増しています。その結果として、大気中のCO2が急増しました。このCO2の急増は、40年くらい前まではそれほど注目されていませんでしたが、1980年代頃からCO2の温室効果など気候への影響に対する懸念が広まり、今では、世界の最重要課題の1つとなっています。

CO2の急増については、懸念が表明され、対策が取られるようになるまでかなり時間がかかってしまったわけですが、持続可能な社会を創るためには、化学反応、物質の急増の影響には、もっと感度を高める必要があります。


最近問題になっているプラスチックについても、プラスチックという便利な素材を生み出す化学反応式が発明され、その化学反応が急増し、プラスチックという物質が急増しています。プラスチックについては、CO2における温室効果のように、影響が明らかになっているわけではありませんが、2050年には海洋プラスチックが魚よりも多くなるという予測に対する不安、海洋生物がプラスチックを飲み込み、それを人が食べることに対する健康への懸念などもあり、対策が急速に進められています。


少し前の事例では、フロンという優れた物質を生み出す化学反応式が発明され、フロンという物質は、エアコンや冷蔵庫の冷媒などとして広く使われるようになりました。しかし、広く使われていた特定フロンがオゾン層を破壊する効果があることが分かり、オゾン層破壊により紫外線が増加し、それがDNAを損傷して皮膚がんなどにつながることが指摘され、世界的に特定フロン規制の動きが広まりました。特定フロンについては、ヒトの健康への直接的な影響への懸念、代替フロンが開発されていたことなどから、比較的早期に対策が進められた成功例と言えます。


いろいろなパターンはありますが、人々の欲求、社会の要請に基づく技術の進化は、新たな化学反応式を生み出します。その化学反応、物質が急増する兆候が見えたら要注意です。その物質が急増することの影響について、早期に研究する必要があるでしょう。そして早期に必要な対策を取り始めることが重要です。現在、成長している産業、市場、そこで大量に生み出されている物質は何でしょうか?もっと感度を高める必要があります。


それが、持続可能な社会を創るためのカギの1つです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
中小企業でもサステナビリティ経営は可能なのか?

「中小企業では、サステナビリティにどう取り組めば良いのか?」という質問を受けることがある。サステナビリティは、リソースに余裕のある大企業が取り組むもので、中小企業では対応が難しいという印象があるようだ。 基本的には、中小企業でも、自社事業・バリューチェーンの正負の影響、機会・リスクを評価してマテリアリティを特定し、KPI/目標を設定してPDCAを回すといった基本的なサステナビリティ経営を実践するこ

 
 
 
サステナビリティ、気候変動に関連する小説4冊

TRELLISでサステナビリティ、気候変動に関連する小説が紹介されていました。今年紹介されていたものと、昨年紹介されていたもののうち、邦訳されているものは以下4冊です。夏期休暇の読み物としていかがでしょうか。 『オービタル:ある一日の16回の夜明け』サマンサ・ハーヴィー著(早川書房、2026年) 本書は、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する6人の宇宙飛行士が、1日で16回も地球を周回し、眼下に

 
 
 
サステナビリティの専門家必読の9冊(2026年版)

TRELLISで「サステナビリティ専門家必読の9冊」が紹介されていました。5冊は邦訳されています(加えて1冊は11月に邦訳出版予定)ので、夏期休暇などに読んでみてはいかがでしょうか。 『これからの地球のつくり方: データで導く「7つの視点」』ハナ・リッチー著(早川書房、2025年) 2024年に原書が出版された本書は、リッチーが「Our World in Data」の副編集長兼元リサーチ責任者、お

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page