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世界を現在良い方向に変えている企業とは? - Change the World List 2021

  • takehikomizukami
  • 2021年10月17日
  • 読了時間: 5分

今年も米フォーチュン誌が「世界を変える企業リスト(Change the World List)」を発表しました。社会インパクト、財務的成果、イノベーション、戦略との統合の視点でCSV企業を選定・評価し、ビジネスの中心的戦略を通じて、社会にポジティブなインパクトを及ぼしている企業をリストアップしています。他のラインキング等では、毎年同じ企業がリストアップされることが多いのですが、Change the World Listは、毎年顔ぶれが大きく変動し、新しい企業が登場するので、発見があります。


本年のリストは、昨年に続き、COVID-19の影響を強く受けています。では、1位から10位を見てみましょう。


1位はワクチンメーカー。これまで特定の企業のみがリストアップされていましたが、昨年に続き、ワクチンメーカーが1位となっています。絶え間ない感染症の波の中、製薬業界が迅速に複数のワクチンを開発したことは、特筆すべきことです。最初の承認から1年も経たないうちに、世界の人口の30%以上がワクチンを接種していることは、歴史的偉業です。しかし、ワクチン接種の状況に不平等があり、貧困国の接種が遅れていることは、倫理的な観点だけでなく、変異のリスクの観点からも問題です。アスラゼネカやジョンソン&ジョンソンは、原価でワクチンを提供し、WHOによる途上国へのワクチン提供に貢献しています。今年は、ワクチンメーカーのこうした取り組みを評価しています。


2位は、中国の再生エネルギー大手エンビジョングループ。中国が掲げる2060年ネットゼロに向けて、世界4位の風力タービンのサプライヤーであり、多くの企業にエネルギーマネジメントサービスを提供するエンビジョングループは、カギとなる役割を担っています。最近では、他企業と連携して、グリーン水素のコストを、化石燃料を代替できる2ドル/kg以下とすべく、R&Dを進めています。エンビジョンは、3年以内にこのコスト削減を実現するとしています。


3位はコストコ・ホールセール。コストコは、パンデミックのさなか、20万人の従業員の最低賃金を16ドルに上げ、競合他社にも従業員の賃上げのプレッシャーを掛けました。その結果、アマゾン、ウォルマートもすぐに追従して数十万人の賃金を上げました。こうした取り組みにより、コストコの売上は2桁で伸び、従業員のロイヤルティも過去にないほど高まりました。


4位は、サンタンデール・ブラジル銀行。2012年以降約110億ドルのグリーン電力の取引に関与し、ブラジルの風力発電プロジェクトの約1/3をファイナンスするなど、世界第6位の人口を持つブラジルのグリーン・エネルギーをファイナンス面から支えています。太陽光発電に対しても、長期100%融資を行うなど、その普及を促進しています。サンタンデール・グループは、再生可能エネルギーのプロジェクトファイナンスにおける世界のリーダーです。


5位は、米国のヴィアトリス製薬。ヴィアトリスは、マイランとファイザーのUpjohn事業の合併により誕生したグローバル製薬企業で、過去5年において世界のHIV治療を変革しています。HIV、マラリアなどの予防・診断・治療を途上国で広げるイニシアチブであるユニットエイドやビル&メリンダ・ゲイツ財団などと協働し、ヴィアトリスは、初の低コストHIV治療薬(年間75ドルの抗レトロウイルス薬)を導入し、低中所得国の3,500万人に提供しました。また、年間120ドルの子供向けのバージョンも開発し、治療コストを75%下げています。特筆すべきは、今では世界最大の抗レトロウイルス薬提供者となっているヴィアトリスの歴史的な治療薬導入のスピードとプロフェッショナル精神です。


6位は、ダイムラー。脱炭素社会の実現は、コバルトに大きく依存しています。コバルトの融点は1,493℃で、リチウムイオン電池の発火を防ぐための理想的な材料です。コバルトの60%はコンゴ民主共和国のカッパー・コバルトベルトで生産されており、人権問題、特に児童労働への対応がEVメーカーの課題となっています。ダイムラーは、この状況を改善しようと乗り出し、EVシフトを進めるとともに、自社のバッテリーで使用されるコバルトが地球上のどこから調達されているか、鉱山や精錬所を特定しています。サプライヤーが自社の児童労働や環境汚染に関する厳しい基準を満たしているか証明するために、、1/3の地域には、人権侵害評価の専門家を送り込んでいます。


7位は、ペイパル・ホールディングス。ジョージ・フロイド氏の死亡事件以降、ペイパルは、5.1億ドルを、主に黒人またはラテン系の所有する金融機関への預金、黒人またはラテン系のマネージャーが率いるアーリーステージVC支援など、人種間の富の格差をなくすために使っています。こうした起業家支援を通じて有色人種のコミュニティに資金が流れるようにしています。


8位は、東アフリカで2番目に大きい地場の銀行であるケニアのKCBグループ。ケニア、ルワンダ、ブルンジなどに2,200万人の顧客を抱えています。KBCは、顧客がパンデミックから立ち直るのを支援するため、COVIDに苦しむ借り手のために、10億ドル以上のローンを用立てています。KCBは、また、年間1万人の若者が職を得られるよう奨学金を提供しています。


9位は、バンク・オブ・アメリカ。米国の最低賃金が時給7.25ドルにとどまる中、バンク・オブ・アメリカは、2020年に20ドル、2021年に21ドルに最低賃金を上げ、2025年までには25ドルにすると約束しています。また、パンデミックに対応し、従業員が看護・介護のための資金支援に4.25億ドルを費やしています。こうした取り組みは、離職率の低下に繋がっています。


10位は、インド最大の再生可能エネルギー企業リニュー・エナジー・グローバル。リニューは、世界第3位の石油輸入国であり、エネルギー消費が急速に拡大しているインドにおいて、化石燃料の代替エネルギーを提供する困難な役割を担っています。リニューは、インドの9つの州で40万人に太陽光と風力による電力を提供していますが、14億ドルのグリーンボンド発行、ナスダック上場による10億ドルなどの最近の資金調達により、今後さらに大きく成長すると見込まれています。


 
 
 

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