ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン(USLP)は、企業のサステナビリティビジョンの金字塔です。2010年に2020年までのビジョンとして、「すこやかな暮らし」「環境」「経済発展」の3つの重点課題のもと、50以上の具体的な定量目標を掲げ、毎年進捗を報告してきました。ユニリーバは、このビジョンによりサステナビリティにおけるリーダー企業としての地位を不動のものとしました。GlobeScanとSustainAbilityが毎年実施しているサステナビリティ・リーダーズ・サーベイでは、8年連続でトップを独走しています。
そして、2020年を迎え、10年前よりも明らかに社会のサステナビリティへの関心が高まっている中、ユニリーバはどこへ行くのでしょう。アラン・ジョーブCEOは、言っています。
「USLPは、当社のビジネスにとってゲームチェンジャーでした。達成できた目標もあれば、達成できなかった目標もありますが、挑戦したことでビジネスをよりよくすることができました。現在立っているところまでたどり着くまでには、計り知れない創意工夫と献身、協働が必要でした。非常に大きく進捗しましたが、まだまだやるべきことがあります。」
「USLPの旅を終えようとしている今、ユニリーバはこれまでに学んだことをすべて取り入れ、それをこの先の基盤としていきます。うまくいっていることはもっとやり、うまくいっていないことは修正し、新たな挑戦をしていきます。新型コロナウイルス終息後の世界がどうなるのかは実際には分かりませんが、私は、人々と地球のためのコミットメントを本気で強化しない限り、未来はないと確信しています。」
「USLPは10年の歳月を経て終わりを迎えようとしていますが、『サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に』というユニリーバのパーパスを実現するための道のりは終わっていません。実際、世界が急速に変化している今、私たちの従業員、消費者、カスタマー、サプライヤー、パートナーは、私たちにより多くのことを期待しています。私たちは、今後も先陣を切っていくことができると確信していますが、より良く、より大胆に、そしてより迅速に行動しなければなりません。」
そして、ユニリーバは、USLPの完了後もサステナビリティにおけるリーダーであり続けるとのコミットのもと、成長とサステナビリティを完全に統合した新しい企業戦略「ユニリーバ・コンパス」を策定しています。詳細はまだ発表されていませんが、ユニリーバ・コンパスは、「パーパス(目的・存在意義)を持つブランドは成長する」「パーパスを持つ企業は存続する」「パーパスを持つ人々は繁栄する」という3つの信念に基づいています。具体的内容は、パッケージ、廃棄物、ジェンダー平等、人権、気候変動、インクルーシブな社会など、15の優先事項を示したものとなるとのことです。
ユニリーバは、最近、気候変動、水、再生農業について目標を発表しました。気候変動については、2039年までの全商品でのバリューチェーン全体でのカーボンニュートラルを実現し、水に関しては、2030年までに工場周辺の100か所で水源管理プログラムを実施し、水系保全のため全商品の含有物を生分解性のものに切り替えることとしています。再生農業については、2023年までにサプライチェーン上の森林破壊をゼロにすることとしています。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、自社商品のラベルに商品生産までのカーボン排出量を明示する計画を発表しています。
この環境目標を含めた、ユニリーバ・コンパスが、USLP同様のインパクトを持って、企業のサステナビリティをリードしていくことを期待します。
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