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企業内にあって、社会起業家の精神を持って社会問題解決に取り組むソーシャル・イントラプレナーが、社会課題に関する「知の探索」を通じて両利きの経営を促進する。

  • takehikomizukami
  • 3月29日
  • 読了時間: 2分

「ソーシャル・イントラプレナー」という言葉がある。社会問題を解決するビジネスを起業するソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)に対して、企業内にあって、社会起業家の精神を持って、新たな事業や商品開発に取組む人たちのことだ。


一部企業でソーシャル・イントラプレナーの活躍が注目されたことがあったが、一時的なものにとどまっている。社会問題を解決しようという強い思いを持っている人材は、企業の利益よりも社会の利益を優先しがちで、企業としては評価や処遇が難しいということもあるのだろう。しかし、ソーシャル・イントラプレナーを活かすことは、企業にとっても社会にとっても大きな価値を生み出す可能性がある。


社会問題の解決に思いはあっても、現実的にリスクが取れず社会起業家になれないという人材も多いだろう。そうした人材が、企業に所属しながら社会問題を解決するイノベーションに取り組むことができれば、社会に価値を生み出す。


企業はそうした人材を「両利きの経営」に活かすことができる。以前、社会貢献活動を通じた「知の探索」について書いた。ソーシャル・イントラプレナーは、社会問題に情熱を持って取り組むことを通じて、自社の強みと社会課題の新たなつながりを見つけるポテンシャルを持つ。「知の探索」にはある程度の自由度が必要だが、その自由度を社会問題解決に活かす。それが社会課題に対応する新たなビジネスを生み出す可能性がある。


企業は「両利きの経営」を促進する観点で、ソーシャル・イントラプレナーに改めて注目してはどうだろうか。


なお、ソーシャル・イントラプレナーの「企業の利益よりも社会の利益を優先しがち」という点は、企業経営の観点からは処遇に難しさもあるが、政治家や公務員には強く求められる。政党、省庁などの利益よりも社会の利益を優先するソーシャル・イントラプレナー型の政治家、公務員が増えてほしいものだ。

 
 
 

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