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ジョン・コッターの「変革のための8段階のプロセス」は、企業のサステナビリティ経営に向けた変革、国際社会や国家のサステナビリティ推進に向けた変革、人口減少の中で地域を持続可能にしていくための変革など、様々な変革に応用できる。

takehikomizukami
5月15日
読了時間: 3分

リーダーシップ論で有名なジョン・コッター、ハーバードビジネススクール名誉教授は、多くの企業が変革に失敗している理由とその成功確率をどう高めるかを研究しました。市場環境の変化が不確実で急速な現代では、組織はそれに適応するために変革していかなければなりません。コッターは、研究結果を「変革のための8段階のプロセス」としてまとめています。


8段階のプロセスは、以下です。


①危機意識を高める

企業の場合は、市場や競合の状況などのファクトを分析し、自社にとってのリスクや機会を可視化するなどして「危機意識」を共有します。


②変革推進のための連帯チームを築く

変革をリードするためのスキル、人脈、信頼、評判、権限を備えたチームを築きます。


③ビジョンと戦略を生み出す

変革に導くためにビジョンを生み出し、ビジョンを実現するための戦略を立案します。簡潔で心躍るビジョンや戦略を描けるかが、変革の成否を左右します。


なお、コッターはビジョンを「将来のあるべき姿を示すもので、なぜ人材がそのような将来を築くことに努力すべきなのかを明確に、あるいは暗示的に説明したもの」と定義し、優れたビジョンの特徴として、次の6つを挙げています。


・目に見えやすい…将来がどのようになるのかがはっきりとしたかたちで示されている

・実現が待望される…従業員や顧客、株主などステークホルダーが期待する長期的利益に訴えている

・実現可能である…現実的で達成可能な目標から生み出されている

・方向を示す…意思決定の方向をガイドするために、明確な方向が示されている

・柔軟である…変化の激しい状況において個々人の自主的行動とさまざまな選択を許容する柔軟性を備えている

・コミュニケートしやすい…5分以内で説明することが可能である


④変革のためのビジョンを周知徹底する

シンプルで琴線に触れるメッセージを様々なチャネルを通して伝え、ビジョンや戦略を周知徹底します。


⑤従業員の自発を促す

変革を阻む障害を取り除き、自発的に行動する人が増えていくようにします。


⑥短期的成果を実現する

目に見える短期的成果を生む計画を立案し、実際に成果を生み出します。


⑦成果を生かして、さらなる変革を推進する

短期的な成果をテコとして変革に勢いをつけ、初期的な変革を定着させます。


⑧新しい方法を企業文化に定着させる

変革ビジョンに基づいた新しい方法を形式知化し、組織の各階層に変革を根づかせます。さらにリーダーや後継者の育成を進めていくことで、変革を企業文化として定着させます。


コッターの8段階の変革プロセスは、企業の本格的なサステナビリティ経営に向けた変革、国際社会や国家のサステナビリティ推進に向けた変革、人口減少の中で地域を持続可能にしていくための変革など、様々な変革に応用できそうです。


しかし、サステナビリティや社会構造に起因する課題については、時間軸の長さや自らの影響力が限られることなどから「危機意識を高める」ことが難しい傾向にあります。世界的な気候変動や生態系破壊、地域の人口減少など、一部の人が危機意識を持っていても、広くその危機意識を共有することは容易ではありません。


それでも個々の組織や地域のリーダーが、危機意識を持って、ビジョンを描き、短期的な成果を実現するなどしていかなければ、世界や地域の問題は解決できません。社会課題解決に向けたリーダーシップが期待されるところです。

 
 
 

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