top of page

サステナブルな世界に向けてパックを動かす!

  • takehikomizukami
  • 2024年1月6日
  • 読了時間: 2分

“A good hockey player plays where the puck is. A great hockey player plays where the puck is going to be.” 「普通の選手はパックが今ある場所に、意識を集中している。だけど、素晴らしい選手ほどパックがこれからどこに向かうかに焦点を合わせているものなんだ。」史上最も優れたホッケー選手と言われる、元NHLのスーパースター、ウェイン・グレツキーの名言です。


この言葉は、故スティーブ・ジョブス氏なども好んで使っていましたが、企業経営にも示唆を与える言葉です。「パックの向かうところ-顧客が将来欲するもの」を目指して、製品やサービスを開発することは、非常に重要なことです。


サステナビリティが目指す世界、「すべての人々が環境の上限を超えない範囲で一定の豊かさを享受する」世界は、「パックの向かうところ」だと確信します。格差と環境の問題を解決しなければ、人類社会は持続できないでしょう。資本主義の基本システムが当面大きく変わらないとすると、政策、需要創造などを通じて格差や環境問題を解決する製品・サービスの顧客ニーズを創り出す必要があります。


世界の本当のリーダー企業は、政府やNGOと協働したルールメイク、消費者啓発、サプライヤーとの協働などを通じて格差、環境問題を解決する市場を創造していかなければなりません。具体的にどのような貢献をするか、どのような市場を創造するかは、各企業ならではのものとなりますが、それこそが各企業の本質的パーパスとなるはずです。


そうしたリーダー企業は、既存企業である必要はありません。Bコープなどがどんどん増える、自社ならではのサステナブルな社会への貢献をパーパスに掲げる新しい企業が生まれるなどが期待されます。


ビジネスパーソン以外の立場でも、消費者、投資家、市民などの立場で、パックをサステナブルな世界に向けて動かすことができます。


サステナブルな世界、サステナブルな製品・サービス市場は、パックの向かうところだと確信しますが、今は「パックを動かしていく」、「市場を創っていく」意識のほうが必要かも知れません。「本当にパックはそこに向かうのか?」という既存パラダイムに囚われた受動的問いではなく、「パックをそこに向けて動かす!」という能動的意思が重要です。


 
 
 

最新記事

すべて表示
ドラッカーの「5つの質問」で考える、サステナビリティ経営におけるステークホルダー・エンゲージメントのあり方

ドラッカーが開発した組織の自己評価ツールとして「5つの質問」がある。社会が組織で構成され、人々が必要とするもののほとんどが組織により提供される組織社会において、組織が正しい成果を上げるための思考を促す、シンプルですが非常に有効なツールだ。 ドラッカー曰く、「組織はすべて、人と社会をより良いものにするために存在する。すなわちミッションがある。目的があり、存在理由がある。」 正にそのとおりだ。組織と社

 
 
 
サステナビリティに関してもはや成り立たない5つの前提:グローバル目標や合意、ESG情報開示、ステークホルダー資本主義などはサステナビリティに向けた変革につながらない。

主なポイント: 多くの企業が依存してきたサステナビリティの前提条件は、気候変動対策を前進させるどころか、むしろ阻害している可能性がある。 それは、グローバル目標への依存や、市民がサステナビリティについて共通認識を持っているという前提が成り立たないからだ。 代わりに、サステナビリティの専門家は新たなアプローチに注力する必要がある。例えば、自らがコントロールできる領域に注力し、影響力を行使できない領域

 
 
 
「サステナビリティを適切に実践することで、収益性が21%向上する。」サステナビリティのビジネスケースに関する最新のレポート

サステナビリティのビジネスケースに関する議論は終わった。過去10年間の研究は、サステナビリティが優れた財務パフォーマンスにつながることを示している。 主なポイント: ・新たなデータによると、サステナビリティを適切に実践することで、収益性を21%向上させるなど、優れた財務実績につながることが示されている。 ・企業は顧客向けに価値提案を定義することが多いが、取締役会、経営幹部、事業部門リーダー向けには

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page