top of page
検索
  • takehikomizukami

SDGsと人材育成と地方創生。氷見市でレクチャーを実施しました。

SDGsは、言わずと知れた国連サミットで採択された、2030年に向けた世界共通の17ゴール・169ターゲットからなる目標です。SDGsの価値は、多様な考え方がある持続可能性への取り組みに対し、世界の共通目標を作ったことにあります。基本的な枠組みは、2030年以降も変わらないでしょう。


SDGsのもう1つの価値は、サステナビリティへの関心を高めたことです。分かりやすいロゴなどを活用したプロモーション活動の展開により、SDGsを通じて、サステナビリティへの関心が高まっています。特に日本では、各種メディアや学校教育などを通じて、若い世代を中心に、SDGsを通じてサステナビリティへの関心が高まっているように思います。SDGsに関する課題を知ることで、サステナビリティへの理解が深まります。また、自分のできることから、サステナビリティ課題に取り組む人の裾野も広がるでしょう。それは、サステナビリティ人材の育成につながります。


また、日本独自のトレンドとして、地方創生とSDGsが結び付けられています。様々な社会課題を抱える地方が、その解決に向けた取り組みをSDGsと結びつけています。これは、SDGs未来都市など、国の政策の影響も大きいでしょう。


お盆に帰省したときに、故郷の富山県氷見市で、中学校3年生向けにSDGsのレクチャーをする機会があったのですが、人材育成、地方創生を意識して話をしました。


進路を選択する必要があり、今後のキャリアを考え始める中学校3年生ということで、WILL/CAN/MUSTのフレームワークをもとに、目指すべきキャリアの考え方を説明した後、SDGsに関連する課題の現状、豊かさの追求やその背景思想などの課題を生み出している構造、ドーナツ経済、サーキュラーエコノミーなどの取り組みの方向性について説明しました。


地方創生に関しては、氷見におけるSDGsの取り組みとして、網に入った魚の3割程度しか取らず資源の持続可能性に配慮した漁法である定置網、従来廃棄されていた魚の皮をバッグや財布などに利用するフィッシュレザーなどを紹介し、海や山の資源が豊富な氷見は、環境面でのSDGs貢献ポテンシャルが大きいことを示しました。


また、衣食住など自分たちの日々の生活が、SDGsとどう関わっているかを説明し、モノの使用や購買において、身近にできるSDGsに貢献する取り組みがたくさんあることも説明しました。


最後に、こうした世界の現状や構造を理解した上で、世界や日本のため、氷見のため、自分が何かできるか?将来どのような人間になりたいか?と問いかけました。今回のレクチャーが、サステナビリティ人材、サステナビリティ×地方創生に取り組む人材が育つきっかけになれば良いなと思います。



閲覧数:13回0件のコメント

最新記事

すべて表示

サステナビリティやステークホルダー資本主義の議論になると、必ず新自由主義の象徴とも言えるミルトン・フリードマンが引用されます。 拙著「サステナビリティ -SDGs以後の最重要戦略」でも、フリードマンの「企業経営者の 使命は株主利益の最大化であり、それ以外の社会的責任を引き受ける傾向が強まることほど、自由社会にとって危険なことはない」という言葉を引用しています。そして、効率的な市場を通じて世界を豊か

最近は、ジャニーズのニュースを見ない日はありませんが、この問題は、企業が人権への対応を考える良い機会となっています。 9/7のジャニーズ事務所の会見を受けて、アサヒグループHDは、いち早くジャニーズ事務所のタレントを広告に起用しない方針を発表しました。勝木社長は、ジャニー氏の行状は容認しがたく、「2019年に策定したグループの人権方針に照らせば、取引を継続すれば我々が人権侵害に寛容であるということ

最近は、ESGの文脈で非財務と財務の関係性を分析することが流行っているようだ。ESGの取り組みと企業価値との相関関係を重回帰分析するツール、非財務要素がどう財務価値につながるかの因果関係をロジックツリーのように示す方法などが提示されている。 しかし、こうした方法やツールは、自社のこれまでの取り組みを肯定する、ESGで先進的な取り組みをしているように見せる、といったことに使うだけでは意味がない。実際

bottom of page