パーパス経営において、良くソニーがベストプラクティスとして挙げられます。確かに「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」は、ソニーらしさがシンプルに表現されていると思います。
一方で、サステナビリティを推進する人間としては、このパーパスでは、世界のサステナビリティにどう貢献する企業なのかが良く分からないなと思っていました。
個人的には、世界のパーパス(=「すべての人々が平和と一定の豊かさのもと潜在能力を発揮でき、地球への負荷が再生可能な範囲に収まっている世界」の実現)と企業のパーパスは結びついているべきだと考えています。
パーパスの表現に世界のパーパスへの貢献を加えるとシンプルさや伝わりやすさが失われるかも知れませんので、別途解説のようなもので社内への浸透、ステークホルダーとの共有を図っても良いかと思います。
ソニーの場合ですと、「サステナビリティの考え⽅」に、「パーパスのもと、「人」を軸に多様な事業を展開し、多様性を強みとした持続可能な価値創造と長期視点での企業価値の向上を目指す」「人が感動で繋がるためには、地球環境があることが前提であり、地球環境に与える影響に十分配慮して行動する」「イノベーションと健全な事業活動を通じて、企業価値の向上を追求し、持続可能な社会の発展に貢献する」といった内容が記載されています。
このうち、多様性については、「パーパスのもと多様性を強みとした持続可能な価値創造」を目指すとしており、人々に感動を提供するクリエーターやアーティストにとっても重要なアクセシビリティ向上に注力するなどしています。
一方で環境については、「地球環境に与える影響に十分配慮して行動する」というCSR的な表現になっています。実際の活動としては、環境計画「Road to Zero」のもと、2040年までのバリューチェーン全体でのネットゼロなどを推進しています。
個人的には、世界のパーパスへの貢献に向けて、「クリエイティビティとテクノロジーの力で「社会・環境課題を解決し」、世界を感動で満たす。」ため、イノベーティブな環境技術や製品開発へのコミットメントなど、より野心的なビジョンや取り組みに期待したいところです。
すべての企業が世界のパーパスへの貢献について考え、世界のパーパスとすべての企業のパーパスがつながりそれが実践されれば、サステナブルな世界が創られるでしょう。
Comments