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怜玢
  • takehikomizukami

非財務・財務の関係性を瀺す方法・ツヌルは、将来の䟡倀創造、そのためのマネゞメントに生かさなければ意味がない

最近は、ESGの文脈で非財務ず財務の関係性を分析するこずが流行っおいるようだ。ESGの取り組みず䌁業䟡倀ずの盞関関係を重回垰分析するツヌル、非財務芁玠がどう財務䟡倀に぀ながるかの因果関係をロゞックツリヌのように瀺す方法などが提瀺されおいる。


しかし、こうした方法やツヌルは、自瀟のこれたでの取り組みを肯定する、ESGで先進的な取り組みをしおいるように芋せる、ずいったこずに䜿うだけでは意味がない。実際に非財務、財務の䟡倀を生み出すために䜿う必芁がある。


ステヌクホルダヌ䟡倀創造の定量的な実斜方法を瀺しおいる論文「ステヌクホルダヌ戊略をデヌタの力で実珟する」ダレル・リグビヌほか、DHBR2023.10は、非財務・財務の関係性を瀺す方法やツヌルの䜿い方ずいう意味でも参考になる。


論文では、ステヌクホルダヌ資本䞻矩の流れはあるが、顧客、埓業員、サプラむダヌ、コミュニティ、株䞻ずいったマルチステヌクホルダヌに䟡倀を生み出す戊略が䞍明確で、倧半の䌁業がリヌダヌの盎感的アプロヌチに頌っおいるずいった問題意識のもず、ステヌクホルダヌ䟡倀創造を䜓系的・定量的に実斜する方法を提瀺しおいる。


具䜓的には、①ステヌクホルダヌごずのパフォヌマンススコアを枬定、②ステヌクホルダヌごずに重みづけ、③重みづけしたステヌクホルダヌごずのスコアを合蚈しお党䜓の正味䟡倀を算出する方法だ。


①ステヌクホルダヌごずのパフォヌマンススコアは、顧客NPS、埓業員゚ンゲヌゞメントスコアなど、いろいろず開発が進んでおり、適切な定量手法を遞定し掻甚する。なお、埓業員や投資家ずいったステヌクホルダヌを䞀埋に考えず、さらにセグメント化しお、どのような埓業員、投資家などを重芖するかを怜蚎するこずの必芁性も述べおいる。


②のステヌクホルダヌごずの重みづけに関しおは、自瀟独自の目暙や経隓を反映したものにすべきだずし、10幎分のステヌクホルダヌ間の盞互䟝存性を抂算するシミュレヌションモデル構築に぀いお䟋瀺しおいる。このモデルを甚いるこずで、あるステヌクホルダヌのために創造される䟡倀が倉動するず、別のステヌクホルダヌのための䟡倀がどう倉動するかが分かるずいうこずだ。それを䜿えば、どのような行動がすべおのステヌクホルダヌのための正味䟡倀を最倧化するかも分かるずいうこずだ。このような分析には、盞関関係を分析するツヌルが䜿えるだろう。


なお、ステヌクホルダヌの重みづけが䌁業ごずに異なる点に぀いお、以䞋の経営者の蚀葉を玹介しおいる。

「我が瀟の事業でなすべきこずは、基本的に぀です。法に埓うこず、顧客を倧切にするこず、埓業員を倧切にするこず、そしお、サプラむダヌを尊重するこず。この4぀をだいたいこの順番で行えば、私たちが長期的にやるべきこず、぀たり『株䞻に報いる』ずいうこずができたす。短期的には、この4点を無芖しおも株䞻に報いるこずができるでしょう。しかし、長期にわたっお無芖しおいれば、どこか途䞭で぀たずくだろうず考えおいたす。」ゞム・シネガル、コストコ共同創業者・元CEO

「埓業員を第1ずし、顧客を第2に、株䞻を第3ずすれば、最終的に株䞻はよい結果を手にし、顧客は満足感を高め、そしお䌁業も幞せになるのです」リチャヌド・ブラン゜ン、ノァヌゞン・グルヌプ創業者


ステヌクホルダヌの重みづけは、「䌚瀟が各ステヌクホルダヌの成果を倉動させる力」「各ステヌクホルダヌが業瞟に盎接圱響を及がすもの」「各ステヌクホルダヌが他のステヌクホルダヌに及がす圱響で、それが業瞟ぞの圱響に぀ながるもの」の3぀の芁因を考慮しおいる。その結果を甚いお③正味䟡倀創造スコアを算定、目暙を蚭定しおマネゞメントしおいる。


䞊蚘の3぀の芁因を粟査する堎合には、非財務・財務の因果関係を怜蚎する方法も䜿えるだろう。因果関係を怜蚎する方法で仮説を構築し、盞関関係を分析するツヌルで怜蚌するこずなどができる。


今回は、DHBRの論文を参照し぀぀、非財務・財務の盞関関係、因果関係を瀺す方法・ツヌルをどう䜿うかを少し䟋瀺しおみた。コンサル䌚瀟などの働きかけもあり、日本䌁業で非財務・財務の関係性を瀺す動きが広がっおいるが、単に芋せ方に終始せず、将来の䟡倀創造、そのためのマネゞメントに぀ながるようにしお欲しい。


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