気候変動対策のうち、排出量の削減につながっているのは、SBTiの検証のみである。
TRELLISの記事から。
企業は、気候戦略の策定から、経営幹部の報酬をサステナビリティ目標に連動させることまで、排出量削減に向けてさまざまな手段を講じることができる。
しかし、世界の大手企業約150社を対象とした調査によると、これらのアプローチやその他のいくつかの取り組みのいずれも、排出量の減少とは関連しておらず、むしろある取り組みは排出量の増加と関連していた。気候戦略の策定、社内削減目標の設定、排出量データの検証、取締役会への責任付与、CEOへの責任付与、CEO報酬と気候目標の連動など、調査対象とした8つの戦略のうち、排出量の削減に成功したものと関連していたのはただ一つ、「Science Based Targets initiative(SBTi)」によって検証された目標を設定することだった。
SBTiの検証と排出削減との関連性は、いくつかの要因によると考えられる。一例を挙げると、脱炭素化への取り組みに熱心な企業は、その野心を示す手段としてSBTiの承認を求めている。「企業が他社との差別化を図りたい場合、あと一歩踏み込んで、自社の目標を検証してもらうことができる」と専門家は指摘する。
SBTiの検証を経た目標を採用した企業は、その後も目標達成に向けて着実に取り組むよう動機づけられる。この点は、調査結果でも強調されている。すなわち、企業がSBTiの目標を設定してから期間が長いほど、大幅な排出削減を達成できる可能性が高くなるというものである。
段階的なアプローチ
2012年から2023年にかけて30カ国の146社の排出量を調査した研究の結果は、他の戦略が無意味であることを意味するものではない。というのも、SBTiの検証を受けた企業はすべて、それ以前に、気候戦略の策定、気候変動対策に関する責任を取締役会に委ねること、社内目標の設定、あるいは排出データの検証のいずれか、あるいは複数の措置を講じていたからである。
「研究結果は、段階的なアプローチの重要性を浮き彫りにしている。すなわち、社内の気候変動監視体制を構築し、外部で検証された科学に基づく目標と組み合わせ、測定可能な削減効果が現れるまで、これらの取り組みを十分に長期にわたって維持することだ」と調査を行った専門家は記している。
本研究において評価された8つの戦略のうち、排出量の増加と関連していた唯一の戦略は、CEOの報酬を気候目標に連動させるというものであった。専門家は、その理由として、この慣行がハイテク業界など排出量が増加している業界でより一般的であることに加え、企業がCEOの報酬のうち比較的わずかな割合しか排出量目標に連動させていない傾向があることが挙げられると指摘している。
(参考)” Of these 8 corporate climate strategies, only 1 is linked to falling emissions”, TRELLIS


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