top of page

中小企業でもサステナビリティ経営は可能なのか?

takehikomizukami
8月20日
読了時間: 2分

「中小企業では、サステナビリティにどう取り組めば良いのか?」という質問を受けることがある。サステナビリティは、リソースに余裕のある大企業が取り組むもので、中小企業では対応が難しいという印象があるようだ。


基本的には、中小企業でも、自社事業・バリューチェーンの正負の影響、機会・リスクを評価してマテリアリティを特定し、KPI/目標を設定してPDCAを回すといった基本的なサステナビリティ経営を実践することが望ましいが、体系的に取り組むリソースがないという場合は、まずは、今後、顧客からの要請がさらに強まるであろう、脱炭素や人権への対応、そして業界として特に重要な課題がある場合は、その課題に対応することで良いのではないか。


また、サステナビリティの動きが、産業構造やサプライチェーンを大きく変革し、長期的に事業に大きな影響を及ぼすこともあるので、業界への長期的影響に対しては、感度を高めておくべきだ。


気候変動については、まず温室効果ガス排出量を把握する必要がある。主要な排出源を特定し、排出量を計測または概算する。そのうえで、排出削減の取り組みが可能か考える。この辺については、顧客、金融機関、自治体などからサポートが得られる可能性があるので、聞いてみるのも良い。脱炭素の取り組みを進めていると、新たな事業機会が見いだせる可能性もある。


人権については、社員の意識醸成が重要なので、研修や社員にメッセージを発する機会を捉えて、意識付けするのが良いのではないか。差別やハラスメント、長時間労働、労働環境など基本的なところから対応する必要がある。人権に対する意識醸成は、人材の維持・確保にも良い影響を及ぼすだろう。


中小企業の優位性として、トップの考えを組織に浸透させ、迅速に取り組みに反映させやすいということがある。トップがその気になれば、サステナビリティについて、大胆な取り組みを進めることも可能だ。地域との結びつきが強い企業も多いので、地域のステークホルダーと連携して、地域と企業が互いに発展できる取り組みを進めることも、考えられるだろう。


その気になれば、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられるB Corp認証を取得し、B Corpコミュニティとともに、世界のサステナビリティに貢献することなどもできる。個人的には、B Corpのような、社会課題解決、社会価値の創造をパーパスに掲げ、それを第一義に追求していく中小企業が増え、その一部がスケール化していくことこそが、目指すサステナブルな世界の実現に重要だと考えている。

 
 
 

最新記事

すべて表示
CGコード改訂が示すサステナビリティ経営の新機軸

2026年に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(CGコード)は、形式的な順守から実効性のあるガバナンスへの転換を強く打ち出しました。サステナビリティに関する規定が「株主以外のステークホルダーとの適切な協働」から「取締役会等の責務」へ移されたことは、その象徴です。サステナビリティは、もはや社会への配慮にとどまらず、取締役会が中長期的な企業価値の向上に向けて担うべき経営課題として位置付けられたの

 
 
 
「サステナビリティ2.0」の必要性-サステナビリティは、会計モデルなどの現在の5つの主要モデルを超えて、新しいビジョンを構想する必要がある。

TRELLISの記事より。 サステナビリティは転換点を迎えている。現在主流となっている5つのモデル―会計的アプローチ、ロールバック、権力政治、反企業的アプローチ、キャリア志向型―には、それぞれ重大な限界がある。「サステナビリティ2.0」では、基本原則を再確認し、インセンティブを創出し、サステナビリティを事業戦略や業務に統合すべきである。 サステナビリティの5つの主要モデル 「会計モデル」 このモデ

 
 
 
幸福感を高めるお金の使い方とCSVの機会

幸福感を得るためのお金の使い方について纏めた「Happy Money: The Science of Smarter Spending」という書籍があります。 この本では、幸福感を上げるためのお金の使い方として、①「物ではなく体験を購入しよう(Buy Experiences)」、②「特別なご褒美にしよう(Make it a Treat)」、③「心に余裕を持てるよう時間を買おう(Buy Time)」

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page