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サーキュラーエコノミーの不都合な真実

takehikomizukami
2月7日
読了時間: 3分

先日の日経ビジネスに「循環型経済の『不都合な真実』」という記事が掲載されている。同記事によれば、サーキュラーエコノミーは、以下のような課題を抱えている。


リサイクルは環境負荷を増やすことがある。

製品や資源を回収して再利用するには、エネルギーと新しい資源が必要で、リサイクルするより新しく作ったほうが環境負荷の低い場合もある。コンクリートについて、EUは解体廃棄物のリサイクルによってセメント需要を5~15%減らせると想定していた。しかしケンブリッジ大学の報告によれば、「コンクリートを砕いて骨材として再利用すると、従来の骨材を使うよりも多くのセメントが必要になることが多い」「リサイクルによる資源節約効果は、品質の低い材料を再加工するために投じる追加エネルギーコストで帳消しにされる」という。


リサイクルが増えても資源の消費量は減らない

現状では、廃棄物の総量よりも消費資源の総量のほうが多く、すべての廃棄物100%リサイクルできたとしても、新しい資源の投入が必要となる。リサイクルは、消費拡大という根本問題の解決策にはならず、「リサイクルしているから大丈夫」という安心感がさらなる消費拡大をもたらす可能性もある。



リサイクルの高い目標が逆効果になることもある。

資源が分散したり劣化したりすると、回収してリサイクルするコストやそれに伴う環境負荷が、未利用資源を消費するより高くなる地点が必ず来る。多くの産業で、サーキュラーエコノミーが推奨する閉鎖型循環生産システムを採用すると、資源を地球の裏側にある元の工場まで送り返すことになる。輸送コストを考えれば、消費した地域で別の用途にリサイクルほうが環境負荷が小さい。ある研究によれば、使用済み冷蔵庫の最適なリサイクル率は70%だった。しかしEUは、すべての冷却機器について80%のリサイクル率を義務付けている。高い目標を掲げるのは良いが、それが本当に環境負荷につながっているか、検証が必要だろう。


再生可能資源は生態系に大きな影響を与える。

再生可能資源は環境負荷をもたらす。完全なバイオ燃料への切り替えは、地球の現在の農地の80%が必要になり、淡水と生物多様性に壊滅的な打撃をもたらす。また、プラスチック袋をすべて紙袋に置き換えると全体的な環境負荷は増える。


同記事は、こうした課題を踏まえて、サーキュラーエコノミーによる持続的な資源利用は、科学的原則に基づいて行われるべきとし、そのための以下の3つの原則を提示している。


①    廃棄物と汚染を設計で排除しようとするのではなく、炭素排出量と材料の正味使用料を削減することに集中せよ。

②    製品と資源を使い続けることではなく、製品とサービスのライフサイクル全体の影響を最小化することを目的にせよ。

③    再生可能資源とエネルギーで生態系を再生できると期待するのではなく、生物多様性を永続的に保護し回復することに真剣に取り組め。


サーキュラーエコノミーが今後本格化していくことが想定される中、「サーキュラー型ビジネスであればすべてよし」といった単純な思考ではなく、サーキュラー型ビジネスがもたらす負の影響も考慮した統合的な思考が求められる。同論文は、そのための示唆を与えてくれている。


(参考)「循環型経済の『不都合な真実』」日経ビジネス2026年2月2日号

 
 
 

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