top of page

「2025年のサステナビリティ戦略の立て方」 -企業のサステナビリティにおける対立の高まりの中、サステナビリティを通じてビジネスを強化する5ステップを推進する

  • takehikomizukami
  • 2025年2月9日
  • 読了時間: 4分

以下は、サステナビリティメディアのTRELLISの” How to Set Sustainability Strategy in 2025”というレポートの概略で、サステナビリティにとって不確実な状況の中で、以下にサステナビリティを推進すべきかを示したものです。サステナビリティの基本の型や問うべき質問など、参考になります。


【インパクトと反発の時代を生き抜く】

今年はまだ第1四半期も終わっていないが、サステナビリティにとってはすでに波乱含みの展開となっている。トランプ政権は、多くの気候変動政策を撤回する意向を示しており、クリーンテクノロジーの目標を撤回し、石油・ガス掘削の拡大を推進している。企業はDEI戦略を後退させ、多くの企業で環境取組の公表を控えるグリーンハッシングが常態化している。一方で、EU、中国、カリフォルニアなどでは、企業による気候変動に関する情報開示の義務化が相次いでおり、その結果、企業は何を報告する必要があるのか(あるいはないのか)を理解しようと躍起になっている。


このような方向性が見えない状況は、サステナビリティ戦略の新たなフレームワークを発表する絶好の機会である。30人以上のチーフサステナビリティオフィサー(CSO)などとのインタビューや、サステナビリティの専門家とのグループディスカッションに基づき、サステナビリティにおける緊張状態をマネジメント出来ている企業(我々はこうしたマネジメントを”Sustainability Tension Management (STM)”と呼ぶ)は、適切なステップを踏むことで、サステナビリティにおける対立をコントロールし、ビジネスを強化できていることがわかった。


STMとは、利益(Profit)、環境(Planet)、人々の幸せ(People)のバランスを最適化する方法について、戦略的な選択を行う能力のことである。STMを実践している企業は、以下のような成果を上げている:

・サステナブル・イノベーションやサステナブルな製品・サービスの開発で大きな成果を上げる可能性が83%高い。

・エネルギー消費削減に関連した大きな成果を達成する可能性が44%高い

・責任あるサプライチェーンマネジメントによって大きな成果を上げる可能性が40%高い。


【サステナビリティ戦略を成功に導く5つのステップ】

STMのステップ1は、サステナビリティの推進に不可欠な優先ステークホルダーを特定し、エンゲージメントすること。このステップの一環として、CSOとそのチームの役割と責任をアップデートし、自らを収益に影響を与えるビジネスの重要な一部と位置づけることに注力する。


ステップ2は、ステークホルダーエンゲージメントなどを通じて、自社のサステナビリティの型を知ること。企業におけるサステナビリティの目的や役割によりサステナビリティの基本的な型は6つに分類される。多くの企業は、複数の基本的な型を組み合わせた型となっている。

・「ボックスチェッカー」: サステナビリティの最小限から基本的なレベルの期待に応える。

・「ブランド・評判重視型」: 重要な顧客・消費者やステークホルダーに訴求して差別化を図るためにサステナビリティを活用する。

・「短期リターン重視型」: 財務パフォーマンスと競争優位性を向上させるためにサステナビリティを活用する。

・「インパクトとパーパス重視型」: 企業のパーパスと価値を表現するためにサステナビリティを活用する。

・「イノベーション主導型」: 革新的なビジネスモデル、ソリューション、プロセスを創出し、リターンを高めるためにサステナビリティを活用する。

・「リスク対応主導型」:リスクを軽減するためにサステナビリティを活用する。


ステップ3では、自社のサステナビリティの型を踏まえ、以下のような中核的な質問について分析し、サステナビリティ戦略を策定する。

・主要なステークホルダーにサステナビリティに優れた企業と認知されることが、どの程度重要か?

・新規または既存のサステナブル・ソリューションを通じて、未充足のニーズに応え、利益を上げる機会があるか?

・企業をリスクにさらすサステナビリティの新たなトレンドは何か?


ステップ4で、サステナビリティ・リーダーは、自社のサステナビリティの型をもとに、サステナビリティがどのような価値を生み出すかのストーリーを語る。一般論ではなく、自社にとっての重要な価値を生み出すことを示すことが必要。


ステップ5では、速やかな失敗から組織が学び、改善し、取組みをスケールできるような行動計画を策定する。

 
 
 

最新記事

すべて表示
螺旋的に発展するサステナビリティ経営

世の中は螺旋的に発展しているという。対立する2つの考え方の間を行ったり来たりしながら、それぞれの良いところを取り入れつつ螺旋的に発展する。 サステナビリティに関連するところでは、利益・株主重視の経営と、環境・社会への影響やマルチステークホルダーに配慮する経営の間を行ったり来たりしている。完全にどちらかに振り切ることはないが、どちらへの意識が高いかは時代により変化している。 サステナビリティ経営は、

 
 
 
「CSOが影響力を高めるための4つの方法」:予算や権威の限られるChief Sustainability Officerは、どのように影響力を高められるか?4つの方法を示します。

サステナビリティ部門の予算は、通常、マーケティングや研究開発(R&D)部門の予算のほんの一部に過ぎない。どうすれば目標を達成できるだろうか?TRELLISの記事を紹介します。 主なポイント: ・サステナビリティ担当者のうち、企業戦略に大きな影響力を持っていると回答したのは約4分の1にとどまる。 ・大きな変革は、権限と同じくらい影響力によってもたらされるものであり、当初は権限が限られているCSO(サ

 
 
 
無形資産/非財務資本を評価し融資する制度がスタート。新しい制度が広く活用され、サステナビリティ経営を促進することに期待

先般、「企業価値担保権」制度が始まりました。事業の将来性や技術力といった目に見えない価値を担保に、銀行などの金融機関が企業に融資する制度です。事業の将来性や技術力といった目に見えない価値を担保に、銀行などの金融機関が企業に融資する制度です。 銀行が企業に融資する場合、土地や建物などの有形資産を担保として設定するのが主流ですが、今後は知的財産、ブランド、顧客基盤などの無形資産を含む事業全体を担保にす

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page