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水上武彦の
サステナビリティ経営論
収支トントンで社会にインパクトを生み出すソーシャルビジネスをどう考えるか?財務+非財務のリターンが資本コストを超えることを目指すべきか?
先日、サステナブルブランド国際会議でLIXILのソーシャルビジネスの話を聞いた。 LIXILは2011年、INAXやトステムなど主要メーカー5社が統合して誕生したが、LIXILとしての求心力として「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というパーパスを策定した。このパーパスを体現するものとして生まれたのが、LIXILのソーシャルビジネスである簡易式トイレ「SATO Pan」だ。 世界では、安全に管理された衛生設備を利用できない人が34億人に上り、衛生環境に起因する疾患により、毎日1000人以上の子どもたちが命を落とし、3億5400万人が野外排せつを余儀なくされているという。「SATO Pan」は、この課題を解決するために開発された。数ドルという安価な製品ながら、少量の水とカウンターウェイトによって弁が自動的に開閉する仕組みを持ち、ハエなどの虫や悪臭を遮断する。 LIXILは、このSATO Panを無償で寄付するのではなく、ソーシャルビジネスとして展開している。「寄付は即効性があるものの、業績が悪化すれば予算が削られるなど、一時的な解決策に
takehikomizukami
2 日前読了時間: 3分
コーポレートガバナンス・コードの改訂を機に、サステナビリティ方針を見直すべきではないか。
先般金融庁が提示したコーポレートガバナンス・コード(CGC)改訂案では、サステナビリティに関する記述を「第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働」から「第4章 取締役会等の責務」に移管し、原則で「取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティを巡る課題に積極的・能動的に取り組むべき」と規定している。これまでの「上場会社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題について、適切な対応を行うべき」という規定に比べて踏み込んだ内容となっている。 サステナビリティが重要な経営課題であり、中長期的な企業価値を判断する上でサステナビリティ情報が重要であるとの認識が広まり、ISSB基準が各国で適用されていることなどを踏まえ、サステナビリティのコーポレートガバナナンス上の位置付けを格上げしたものと言える。 CGC改訂案では、原則で「自社のサステナビリティを巡る取組みについて基本的な方針を策定するほか、適切な対応を行うべき」とも規定している。 CGC改訂案はサステナビリティの基本的な方針の策定を求めているが、これまで「日本企
takehikomizukami
3月6日読了時間: 3分
IPBES報告書がビジネス環境のCSVを提唱
「生物多様性と自然」に関わる科学的評価を実施するIPBES(気候変動におけるIPCCに該当)が、初めてビジネスに焦点を当ててまとめた「ビジネスと生物多様性評価報告書」の政策決定者向け要約が発表された。 2026年10月にはCOP17が開催され、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)の中間レビューが行われる。2030年目標に向けた折り返し地点となるこのタイミングで発表された報告書は、企業や政府などが生物多様性の現状を評価し、さらなる行動を加速させる上で重要なメッセージを含む。 IPBES報告書は、産業革命以降の急速な自然の損失の主たる原因は、急速な経済発展の中核であるビジネス活動にあるとしている。一方で、企業によるTNFDにもとづく情報開示行われているが、実質的な取り組みは進んでいない。 企業の取組みが進まないのは、自然を破壊する経済活動への補助金の存在など、企業活動が自然の損失につながるインセンティブが支配的で、自然資本を保全するインセンティブがないためだ。(報告書は、自然に負の影響を及ぼす資金は約7.3兆ドルである一方、自然に正の影響を及
takehikomizukami
2月27日読了時間: 3分
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