top of page

マルチセクターリーダーのサステナビリティにおける重要性

  • takehikomizukami
  • 2020年9月26日
  • 読了時間: 3分

マルチセクターリーダーは、企業、政府、NGOなど、多様なセクターの垣根を超えて活躍するリーダー人材です。サステナビリティの領域では、企業、政府、NGOなどによるサステナビリティ課題解決のイニシアチブが進められていますが、そうした取組みをけん引するには、複数のセクターのことを理解するマルチセクターリーダーがふさわしいと思います。

グローバル企業では、マルチセクターリーダーをサステナビリティの責任者として採用するケースも多く、実績もあげています。以前、コカ・コーラがインドで大量の水を使用しているとして政府、NGOの反発に遭い、清涼飲料水の製造を禁止されたとき、コカ・コーラは、国務省やUSAIDなど公共での経験が豊富なジェフ・シーブライト氏を外部から招聘して責任者に据えて、水資源の持続可能な利用に向けた戦略を構築しました。シーブライトしは、政府の環境関連部局でよく使われる地理情報システムを利用し、世界のコカ・コーラの工場の39%が水不足な深刻な地域に立地していることを明らかにし、鉱物・資源会社のリオティントに依頼し、コカ・コーラの20の事業部を対象とした水資源に関わるリスク分析を実施しました。そして、USAIDやWWFなどと水資源保全に向けた協働プロジェクトを推進しました。シーブライト氏は、その後、ユニリーバのCSO(Chief Sustainability Officer)を務めています。

アップルでは、元米国環境保護庁長官のリサ・ジャクソン氏が事業およびサプライチェーンの100%再生可能エネルギー化を推進しています。ティム・クックCEOの意を受けて、自らのライフワークとして、アップルの影響力を使って、気候変動対応を進めています。

企業がサステナビリティを推進するには、サステナビリティ課題の動向に対する感度を持つこと、サステナビリティ課題が自社の経営にどう影響するかを理解すること、社内にサステナビリティ課題の重要性を伝え動かすこと、サステナビリティ課題への具体的対応を進めることが必要です。マルチセクターリーダーは、それを進める力を持っています。

サステナビリティ課題解決をミッションとする政府やNGOでの経験を持つマルチセクターリーダーは、課題に対する感度が高く、最新の情報や人材ネットワークにアクセスできます。さらに、企業での経験もあるマルチセクターリーダーは、サステナビリティ課題が企業経営にどのような影響を及ぼすかを理解しています。また、多様な組織での経験から、サステナビリティ課題の重要性をどう伝えれば、社内の人々を納得させることができるかのノウハウも持っています。そして、幅広い人脈、各セクターの行動メカニズム理解のもと、サステナビリティ課題に対応する取り組みを推進するため、イニシアチブに参画したり、マルチセクターのコラボレーションを実現したりします。

日本企業と海外企業のサステナビリティの取り組みにおけるダイナミズムの差には。マルチセクターリーダーのような人材の有無も大きく影響していると思います。国内でもマルチセクターリーダーは少しずつ増えていますし、サステナビリティ推進のために必要があれば、海外の人材を招へいすることも考えられるでしょう。

日本でも、マルチセクターリーダーが活躍し、サステナビリティの取り組み、イニシアチブ、コラボレーションがダイナミックに進んでいくようになればと思っています。

 
 
 

最新記事

すべて表示
収支トントンで社会にインパクトを生み出すソーシャルビジネスをどう考えるか?財務+非財務のリターンが資本コストを超えることを目指すべきか?

先日、サステナブルブランド国際会議でLIXILのソーシャルビジネスの話を聞いた。 LIXILは2011年、INAXやトステムなど主要メーカー5社が統合して誕生したが、LIXILとしての求心力として「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というパーパスを策定した。このパーパスを体現するものとして生まれたのが、LIXILのソーシャルビジネスである簡易式トイレ「SATO Pan」だ。 世界では、

 
 
 
コーポレートガバナンス・コードの改訂を機に、サステナビリティ方針を見直すべきではないか。

先般金融庁が提示したコーポレートガバナンス・コード(CGC)改訂案では、サステナビリティに関する記述を「第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働」から「第4章 取締役会等の責務」に移管し、原則で「取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティを巡る課題に積極的・能動的に取り組むべき」と規定している。これまでの「上場会社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る

 
 
 
IPBES報告書がビジネス環境のCSVを提唱

「生物多様性と自然」に関わる科学的評価を実施するIPBES(気候変動におけるIPCCに該当)が、初めてビジネスに焦点を当ててまとめた「ビジネスと生物多様性評価報告書」の政策決定者向け要約が発表された。 2026年10月にはCOP17が開催され、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)の中間レビューが行われる。2030年目標に向けた折り返し地点となるこのタイミングで発表された報告書は、企業や政府

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page