以前、「ラベルでは、SDGsに貢献したことにはならない!」と書きました。SDGsのロゴを自社の既存の活動に紐づけて、「こんな貢献をしています」とアピールするだけで、何ら新しいことに取り組まなければ、TransformationによるSDGs実現に貢献することにはなりません。
しかし、ラベル貼りが新しい取組み、新しい価値創造につながるのであれば、話は別です。SDGsのラベル貼りの作業は、自社の社会価値を問い直す作業でもあります。現時点では、CSRなどの担当部署がCSRレポートなどのコンテンツとして自社の活動とSDGsの関係性を整理することが多いように思います。これをもっと社内を巻き込んで実施しても良いのではないでしょうか。そうすることで、多くの社員が、自社が提供している社会価値を再認識することができます。
また、出来るだけ多くのSDGsのゴールに紐づけようとするのは、良くないと思います。多くのSDGsに紐づけようとすると、ちょっとした社会貢献活動やどこの会社でもやっているような取組みも含まれ、自社の本質的提供価値が見えなくなります。
SDGsの紐づけ作業は、自社の本質的提供価値、パーパスを問い直す作業とすべきです。多くの社員やマネジメントを巻き込んで議論し、自社の理念や歴史、DNAなども併せて検討し、どのような社会価値を提供しているのか、それはどのSDGsに関連するのかを検討すべきです。
そのような議論・検討を通じてできた、提供価値の大きさの違いも含めたSDGsとの紐づけは、パーパスに昇華できるともっと良いでしょう。パーパスとして社内外に共有し、「これが我が社の社会への提供価値だ!」と示すのです。それが新たな価値創造の源泉となります。
パーパスを示し、共有することで、社員の意識が変わります。評価体系などもパーパスを軸に変更するともっと効果的でしょう。社外からパーパスについて問われることで、マネジメントの意識も変わります。CSR担当などは、こうした動きを促進すべきでしょう。
社員やマネジメントの意識が変われば、行動につながります。行動が変われば、新たな価値を生み出すことにつながります。こうして、SDGsの紐づけがパーパスとなり、パーパスを実現するための行動となり、実際にSDGsに貢献する新たな価値を創造することになります。
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