検索
  • takehikomizukami

SDGsの段階論とその意味合い

以前、企業のSDGsの取り組みの段階論について書きました。


SDGs1.0:コミュニケーション対応

SDGs2.0:プロジェクト対応

SDGs3.0:経営への統合

SDGs4.0:他者の巻き込み

SDGs5.0:SDGsの主目的化


SDGs1.0は、自社との関わりを整理し、自社の活動がどのようにSDGsに貢献しているか、Webや各種レポートなどで、コミュニケーションする。社員にSDGsの理解を促すSDGs研修、SDGsへの貢献について考えるワークショップなども含みます。これは経営的には、ブランディング、リクルーティングなどに効果があります。また、社員の気づきによる行動変容につながり、それがSDGsに貢献する活動につながる可能性があります。しかし、基本的には、SDGsへの実際の貢献は限定的でしょう。


SDGs2.0は、SDGs貢献のためのプロジェクトを立ち上げるものですが、通常は本業外での社会貢献活動などです。経営的意味合いは、SDGs1.0と同じで、SDGsへの実際の貢献はありますが、基本的には、限定的でしょう。


SDGs3.0は、SDGsをパーパス、ビジョン、コミットメントなどに統合し、それに基づいた経営を推進します。SDGコンパスに示される取り組みを、経営的意味合いをしっかり捉えながら推進するイメージです。実際には、SDGsに限定されず、サステナビリティと経営の統合という形になるかと思いますが、経営的意味合いをしっかり捉えて推進すれば、ブランディングやリクルーティングに限らず、事業ポートフォリオの組み換えや新たな事業の創造により、事業での差別化、長期的な企業価値創造につながり、投資も惹きつけることができます。また、企業全体としてのSDGsへの貢献も大きく向上するでしょう。


SDGs4.0は、同業他社、異業種の企業、政府、市民セクターを巻き込んだSDGsに貢献するエコシステムを創造するものです。企業を超えた役割を果たし、価値を創造するものです。CSVとして取り組むことで、大きな差別化を生み出し、社会にとっても大きな価値を生み出します。


SDGs5.0は、SDGsへの貢献とした企業を立ち上げる、あるいはそうした企業に変身するものです。BコープのSGDs版のイメージで、小・中規模企業が中心となるでしょう。しかし、個人的には、当面は、こうした企業が増え、成長していくことが重要だと思います。そして、既存の企業を代替する、あるいは既存の企業に脅威を与え、変化を促すことがSDGs実現に向けたカギとなると思います。SDGsへの貢献を主目的とする企業を如何に増やすかを、SDGs推進者は、意識すべきだと思います。

9回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

世界を現在良い方向に変えている企業とは? - Change the World List 2021

今年も米フォーチュン誌が「世界を変える企業リスト(Change the World List)」を発表しました。社会インパクト、財務的成果、イノベーション、戦略との統合の視点でCSV企業を選定・評価し、ビジネスの中心的戦略を通じて、社会にポジティブなインパクトを及ぼしている企業をリストアップしています。他のラインキング等では、毎年同じ企業がリストアップされることが多いのですが、Change the

課題先進国・地域であることを生かし、課題解決ソリューションを広く展開する

イスラエルでは、世界の水資源が不足している地域で、海水を飲料水や灌漑用水に転換するビジネスを展開するIDEテクノロジーズに代表されるように、水問題を解決する技術が発展し、多くの企業が水関連ビジネスを展開しています。 イスラエルで水技術が発展しているのは、イスラエルが水の課題先進国だからです。国土の60%が荒野で、淡水の水源は限られ、降水量も少ないイスラエルは、昔から水問題に苦しんできました。有名な

脱炭素による地方創生をどう進めるか

世界的に脱炭素による新たな社会経済づくりが始まっている。新たな社会経済は、豊かさと脱炭素を両立するものでなければならず、世界中でグリーンディールなどの脱炭素による経済成長を追求する政策が取られている。日本でも、グリーン成長戦略が掲げられ、2兆円のイノベーション基金を創設し、エネルギー関連、輸送製造関連、家庭・オフィス関連の14分野で技術開発・事業化を進めることとしている。 また、脱炭素を地域レベル