EUタクソノミーは、投資家の視点で、企業活動がサステナブルなものかを判定するための枠組みだが、EUタクソノミーの考え方は、企業が自らの活動がサステナブルなものであるかを判断するチェックリストにも応用できる。
ブルームバーグ等が、EUタクソノミーとの整合を判断する以下のアプローチを整理している。
ステップ1-環境目標の1つ以上に整合する活動を行っている企業の特定
ステップ2-「substantial contribution (実質的な貢献)」基準を満たしているかどうかをチェック
ステップ3-「do no significant harm(著しい害を及ぼさない)」基準を満たしているかどうかをチェック
ステップ4-ミニマムセーフガードに悪影響があるかどうかをチェック
ステップ5-投資とタクソノミーとの整合性を計算
これを企業活動に応用すると、以下のようなイメージになる。
ステップ1-サステナブルな取り組みを提案
サステナブルな取り組みのコンセプトを提案
ステップ2-実質的にサステナビリティに貢献しているか確認
気候変動、サーキュラーエコノミー、生態系保全など、具体的にどのような貢献をするか、実質的な貢献をするものかを確認。このための基準を、外部有識者などの意見も踏まえて設定することも考えられる。
ステップ3-サステナビリティの取り組みが大きな副作用を伴わないかを確認
サステナブルな取り組みが、大きな副作用を伴っていないかを確認。通常は、何らかの副作用を伴うが、それが許容範囲かを確認。これは、長期的な視点、バリューチェーン全体の視点、環境面・社会面を含めた網羅的な視点をもって検討する必要がある。
ステップ4-対外的にアピールする場合には、その他の取り組みが批判されるリスクがないか確認
サステナブルな取り組みを対外的にアピールする場合は、それ以外の取り組みや企業全体の姿勢なども含めて、ウォッシュなどと批判されるリスクがないことを確認。
このような判断フレームワークを作成し、社内で共有・運用していけば、企業としてのサステナビリティ・リテラシーも高まるだろう。
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