検索
  • takehikomizukami

Change the World list 2019:1から10位の取り組み

今年もCSVの先進企業ランキングFortune Change the World listが発表されました。まずは、1位から10位を紹介します。


1位はクアルコム。携帯電話チップ設計企業として、スマートフォン時代のワイヤレステクノロジーのリーダーとなったクアルコムは、通信速度が10-100倍となる5G用チップを開発しており、今後、スマートデバイスやセンサー向けの安価で低消費電力のチップを導入予定です。そうしたセンサーが広がれば、都市では大気や水の質をリアルタイムでモニターでき、農家は最適な水や肥料の利用が可能となり、自動運転車が相互にコミュニケーションして交通渋滞およびCO2排出を減らすなど、環境に大きなインパクトを及ぼすことができます。


2位はマスターカード。2020年までにこれまで金融サービスにアクセスできていなかった5億人を支援するという目標を掲げて、ファイナンシャル・インクルージョンの活動を進めています。インドでは、子会社を通じて、農村の女性起業家を支援する商工会議所を設立し、6か月で農業、食品生産などの3,275のビジネスにおいて、信用供与、ファイナンスやマーケティングのトレーニングなどで、5,667人の女性を支援しています。


3位はBYD。世界でテスラに次ぐ中国発EVメーカーとして、EVの設計および生産の柔軟なプラットフォームを発展させています。補助金のお陰もあり、BYDのベーシックモデルは、8,500ドルで販売されています。今後、トヨタとのJVを通じたさらなるグローバル展開が見込まれます。


4位はスイスの電子部品企業TEコネクティビティ。幅広い業界にコネクタやセンサーを提供するTEコネクティビティは、緊急心臓疾患や脳卒中患者を救うための医療装置を提供しています。医者が動脈などを傷つけることなく正確に手術することを支援する装置は、これまでに130万人の脳卒中患者を救っています。


5位はウォルマート。Change the World listに5年連続で選ばれている唯一の企業です。今年は、人材に対する投資が評価されました。過去数年、ウォルマートは、数十万の従業員に専門学校での教育を提供し、賃金を上げました。さらに、従業員が学位を取得することを金銭的に支援しており、1万人が学位取得に向けて活動しています。


6位はブラジルの銀行サンタンデール・ブラジル。2002年からブラジルでマイクロローンを提供しており、最近はデジタルテクノロジーを活用して、承認プロセスを10日から10秒に短縮しています。それにより、貧困層を含む起業家向けの少額・低金利融資が急速に拡大しています。これまでに70万人の起業家に20億ドルを融資していますが、融資の4-5倍の経済価値を生み出し、特に貧困地域の大きな支援となっています。


7位は米国で保険・ヘルスケアプログラムを提供するセンティン。多くの米国人がヘルスケアへのアクセスに苦労していますが、障がい者にとっては、バリアフリーでないオフィスなど物理的な障壁もあります。150万人に保険プログラムを提供するセンティンは、障がい者が必要なケアが受けられていないと考え、障がい者にとっての障壁を取り除いています。これにより、123,000人が尊厳を持った保険・ヘルスケアへのアクセスを獲得しています。


8位は、バンク・オブ・アメリカ。多くの米国の都市では土地や建設コストが急上昇しており、賃料が低中所得層が支払えないレベルに上昇しています。バンク・オブ・アメリカは、NPOとも協力し、194,500の低中所得層向け住居を金銭的に支援しています。


9位はフランスの電子機器メーカー、シュナイダー・エレクトリック。サステナビリティにとって非常に重要なエネルギーマネジメントや自動化の装置を提供するシュナイダー・エレクトリックは、サーキュラー・エコノミーに向けて製品の長寿命化やリサイクル容易性を強化しています。例えば、容易に修理でき、寿命が来たらシュナイダー・エレクトリックに再生のために返却できるサーキットブレーカーを提供しています。


10位はテラサイクル。牛乳配達モデルのLoopで、耐久性のある容器を使い続け、容器の使い捨て・廃棄をなくそうとしています。今年からスタートしたLoopは、すでに41の大企業ブランドと協働しており、2020年に向けてさらに拡大予定です。

524回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

新たな競争力の源泉「サステナビリティ・インテリジェンス」

「サステナビリティ」が新たな競争軸になりつつある。政策が急速に動き、「脱炭素」がビジネスのメインストリームでも注目を集めるようになっている。地球温暖化は、1992年の「国連気候変動枠組条約」のころから重要な問題と考えられてきたが、30年を経てようやく危機感が共有され、取組が本格化する流れとなっている。 ビジネスにおいても、2000年代半ばくらいから、一部企業は地球温暖化等の環境問題を重要な取り組み

脱炭素の「日陰」戦略を狙うべき!

一橋大の楠木建教授が「日陰戦略」というコンセプトを提示している。旬の事業機会である「日向」は競争が激しいので、「日向」が生み出す「日陰」を攻めるべきだ、そのほうがユニークな価値を創造できる可能性がある、という考え方だ。 競争戦略の本質は競合他社との違いをつくることにある。同時に、その「違い」は長期利益をもたらす「良いこと」である必要がある。しかし、そんなに「良いこと」であれは、他の誰かが手を付けて

SXに向けた本質的マテリアリティの重要性

「SX」、「サステナビリティ・トランスフォーメーション」という言葉が少しずつ広がっているようだ。SXは、サステナビリティを経営に取り込むことであり、より具体的には、「長期視な視座を持ち」、「従来外部不経済と捉えられて、企業活動の外側にあるものと認識されてきたサステナビリティ課題がもたらす機会・リスクを認識し」、「持続可能なビジネスモデル構築に向けて企業を変革する」ことだ。 SXを実現するためには、