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Change the World list 11位から20位

今回は、Fortune Change the World Listの11位から20位を紹介します。


11位は、インドネシアの配車サービス企業ゴジェック。ゴジェックのスマホ決済ゴーペイは、64%が銀行にアクセスできていないインドネシアで、数百万人に金融サービスへのアクセスを提供しています。2018年には、ゴーペイで60億ドルの商品・サービスが購入され、13万人のスモールビジネスへの融資とバックエンド・サポートが提供されています。


12位は、衛星インターネットサービスのヴァイアサット。ヴァイアサットの衛生インターネットサービスは、宇宙船の性能向上に伴い、世界の通信インフラが貧困な地域に安価なオンラインサービスを提供しています。2017年のスクールバスサイズの衛星ViaSat-2の打ち上げ以来、南米すべてにサービスが提供されています。例えば、メキシコでは、ローカルショップに1,500ドルの受信装置を設置するだけで、幅広い地域の安価な電話やタブレットを持つ利用者に、1時間50セントのWi-Fiサービスが提供されています。メキシコでは、60万以上の装置により幅広くインターネットサービスが提供されています。本年7月には、サンパウロ州が、ヴァイアサットとコミュニティWi-Fiルーターの設置で協働し、20の地域にセットサービスを提供しています。今後打ち上げられる衛星ViaSat-3により、欧州、中東、アフリカで2021年、アジア・パシフィックで2022年にサービスが提供される予定です。


13位は、米ドラッグストアのウォルグリーン。顧客が血糖値や血圧をモニタリングするなどのタスクを実施することで、報酬やディスカウントが得られるプログラムを提供しています。85万のアクティブユーザーがいて、健康な習慣を保っていることが示されています。


14位は、監査法人・コンサルティングのEY。自閉症や発達障害者などの活躍を支援するニューロダイバーシティを推進しています。大学やNPOを連携して雇用を進めており、現在は80人を雇用し、仕事のマッチングを工夫しています。


15位は、ベクトン・ディッキンソン(BD)。微生物は医薬品への耐性を高めており、2050年までに薬剤耐性により年間1000万人が死亡すると予測されています。BD製品は、薬剤耐性のある結核菌を検出し、感染を予防しています。また、医療従事者に適切な診断と感染治療を教育しています。ウガンダでは、BDの支援により、ツベルクリン反応検査の時間が3週間から3日に短縮されています。


16位は、アップル。テクノロジー企業として、サプライチェーンの再生可能エネルギー化を進めるなどグリーンな製造のリーダーであるアップルは、業界の厄介な問題である急速に増大する電子機器廃棄物の問題に取り組んでいます。2017年には、すべての製品をリサイクルされたまたは再生可能な材料から作るという目標を掲げています。今年4月には、テキサスにMaterial Recovery Labをオープンし、廃棄物に対する研究を進めています。1時間に200のiPhoneを分解して再生のために部品として分類するリサイクル・ロボットDaisyは、アップルが生み出したイノベーションの一つです。


17位は、フランスの眼鏡・光学機器メーカのエシロールルックスオティカ。合併前のエシロールは2013年に、低所得国を中心とした視力矯正ができていない世界の25億人に安価な眼鏡を提供するプログラムをスタートしています。現在は、製造コストが50セントの眼鏡を開発し、3-4日分の賃金の価格で提供しています。また、エシロールは、政府やNGOと協働で多くの国で起業家を訓練し、視力検査とレンズ合わせのサービスを提供しています。プログラム開始から6年間で、エシロールは、2億人にサービスを提供し2,500万人以上が眼鏡を使っています。当該プログラムは、2-3年で利益が出るようになると考えられています。


18位は、デンマークのバイオテクノロジー企業クリスチャン・ハンセン。国連は、食物の1/3が廃棄されていると見積もっていますが、一方で消費者は合成保存料を敬遠するようになっています。クリスチャン・ハンセンは、30,000以上の良性バクテリアの株を持っており、食物の消費期限を延ばすものもあります。また、農業で抗生物質や農薬の使用を減らす微生物ソリューションや農作物の生産性を大幅に向上するものもあります。その他、疾病に効果のあるものもあり、クリスチャン・ハンセンは、140か国で日々10億人の生命に関わっています。


19位は、アンハイザー・ブッシュ・インベブ。途上国の農家は、収穫物を現金で売る傾向にあります。そうすると記録が残らず。貧しい人々が信用履歴を構築できず、金融サービスへのアクセスができないままです。アンハイザー・ブッシュ・インベブは、2018年6月に銀行にアクセスできていないワーカー向けに、テクノロジーソリューションのテストを始めました。ザンビアの200のキャッサバ農家に対して、ブロックチェーン技術を用いて取引記録とデジタルの支払いを提供しました。その後参加者は、3,740に増えています。年末までには、ザンビア、ウガンダ、インド、ブラジル、タンザニアで、更に10,000人の農家に広げる計画です。


20位は、スウェーデンの建設大手スカンスカ。スカンスカは、パリ協定に基づく厳しい環境サステナビリティ基準を設定しています。ニューヨークラガーディア空港の新ターミナルBのような巨大なインフラプロジェクトが、可能な限り最高のサステナビリティ認証のもと建設されています。

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