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脱炭素に向けてどうトランスフォーメーションするか

企業の脱炭素に向けたトランスフォーメーションの必要性が高まっています。まずは、エネルギー産業、自動車産業、素材産業、そしてこれらのバリューチェーンに組み込まれている企業の変化が求められていますが、変化への要請はさらに広がっていくでしょう。


脱炭素の要請は、構造的な変化であり、うまくトランスフォーメーションに成功した企業は長期的に成長し、失敗した企業は衰退、場合によっては消滅します。


構造的変化に適応してトランスフォーメーションするには、ビジョン/パーパスを掲げて大胆に事業ポートフォリオを組み替える、シーズを活かして新しいドメインでビジネスを拡大するという大きく2つの方法があります。


脱炭素に限りませんが、ビジョン/パーパスを掲げてサステナビリティの観点から事業転換を行って企業としては、優れた事例がいくつもあります。


ウェイスト・マネジメントは、廃棄物削減の潮流を踏まえて、ゴミを処理する企業から、「廃棄物から(エネルギーや資源などの)価値を引き出す革新的な方法を模索する企業になる」と企業のパーパスを再定義しました。そして、ゴミを減らしたいと考える顧客向けにコンサルティング部門を設立し、自社のゴミ処理ビジネスの売上にマイナスとなるビジネスに取り組み始めました。設備投資資金をゴミ廃棄場から資源回収施設に振り向け、リサイクル可能な材料を分別する高度技術を備えた施設に作り変えています。また、廃棄物をエネルギーに変え、クリーンエネルギーを提供するなど、廃棄物を埋め立てる会社から、廃棄物を資源として価値を創出する企業に進化しています。


CVSヘルスは、「健康」を企業戦略の中核に据え、その戦略と整合しないタバコの販売は、20億ドルの売上があったにもかかわらず停止しました。そして、健康に配慮するドラッグストアとしてブランディングし、処方薬調剤プログラムなどの事業で業績を伸ばし、基本的医療サービスを広範に提供するチェーンとして優位性を確保しています。


ダノンは、「健康」が自らのパーパスであることを再認識し、事業ポートフォリオを組み替え、ビール、肉類、およびチーズ関連の事業を売却し、乳幼児向け食品や医療用栄養食の会社を買収しています。


一方で、シーズを活かして新しいドメインでビジネスを拡大している企業としては、オーステッドがあります。オーステッドの場合は、パーパスとシーズ活用のハイブリッドかも知れませんが、供給するエネルギーの85%を石炭で賄っていた2009年に、2040年までにエネルギー供給の85%を再生可能エネルギーで供給するとのビジョンを掲げた上で、シーズとして持っていた洋上風力発電を活かして、洋上風力の最大手となりました。合併企業であるオーステッドのもとの企業の一つが先行的に投資していた洋上風力発電を活かして、外部パートナーと連携してバリューチェーンを構築し、洋上風力の規模を拡大していきました。


脱炭素ではないですが、富士フィルムも、デジタルカメラの普及により写真用フィルム市場が大きく縮小するという変化の中、独自に培ってきた高機能材料や3次元構造化技術等をヘルスケア分野に転用し、ヘルスケア事業を拡大し、新しいドメインでビジネスを拡大しました。


時代の変化に適応して、自社の持っていたシーズを活かして新しい市場で成功した企業は沢山あります。日本企業は、こちらのほうを得意としてきたように思います。


これから、脱炭素に向けたトランスフォーメーションが求められる中、明確なパーパス/ビジョンを掲げて事業を大胆に転換していくか、自社のシーズを棚卸しして新しい市場で勝負するか、大きな変化の波を受けている企業は、大胆なトランスフォーメーションで、未来を創っていかなければなりません。

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