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昆虫食への関心を、昆虫食普及の機会にできるか。

  • takehikomizukami
  • 2023年3月11日
  • 読了時間: 2分

徳島の高校でコオロギパウダーを使った給食を試食で出したことをきっかけに、昆虫食が大きな話題となっています。Twitterなどでは反対意見が圧倒的に多く、理由としては、生乳廃棄や人口減少などの国内事情を踏まえてたんぱく質不足対策としての昆虫食は必要ない、アレルギーなどのリスクがあるといったことがあげられています。


昆虫食開発の背景にあるのは、世界の人口増加および途上国の経済発展に伴い食肉需要が増加することが見込まれる一方で、現在の畜産は環境負荷が大きく持続可能ではないということです。80億人を超えた人口は100億人程度までは増加すると予測されており、たんぱく源を増やすことが必要です。


しかし、牛だけでも10億頭が飼育されている畜産は、メタンの排出などにより世界の温室効果ガスの14%程度を占めるとされ、土地利用でも世界の陸地の26%を占めているとされます。カーボンニュートラルや生態系保全の必要性が叫ばれる中、今後のたんぱく源を現在の形の畜産に依存することはできないとして、植物肉、培養肉、低環境負荷養殖などの新しいたんぱく源の開発が進められています。


タンパク質1㎏あたりの温室効果ガス排出量が、牛2,800g、豚1,100g、鶏300gに対して、コオロギはわずか100gと、環境負荷の小さいコオロギなどの昆虫食の開発も、その流れで進められています。


しかし、今回の騒動で、昆虫食に対する心理的抵抗、「フードネオフォビア」は非常に大きいことが示されました。一方で、昆虫食に対する関心が高まったことは、普及の機会にもなりえます。ネガティブな意見が多い状況ではありますが、一部の方でも関心を持ち、試してみようかと思うようになれば、市場が広がるきっかけになる可能性もあります。


昆虫食にはやはり抵抗があるという方でも、これを機会に食料システムの気候変動への影響に関心を持つようになり、週1回肉食を控えるミートフリーマンデーでもやってみようかという人が出てくれば、気候変動対策の観点からは、望ましい流れとなります。


しかしながら、ネガティブな意見が大半を占める中、昆虫食推進の立場の人たちが、コミュニケーションを間違えると、日本の昆虫食の歩みが一時ストップしてしまうリスクもあります。


昆虫食を推進されている方々は、今回の反応を真摯に受け止め、ファクトベースで、透明性を持ってコミュニケーションし、自分たちの考えや思いをしっかり伝える必要があるでしょう。


 
 
 

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