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日本の消費財企業のグローバル展開に不可欠な「需要創造」。キッコーマンとキューピーの事例

  • takehikomizukami
  • 2025年1月26日
  • 読了時間: 3分

日本国内の人口が減少する中、消費財企業が成長するにはグローバル市場への展開が不可欠だ。消費財企業のグローバル市場展開のカギとなるのが、既存市場に自社商品を売り込むのではなく、現地の消費者の知識・意識を変えて新しい市場を創造する「需要創造」だ。


日本企業の代表的な需要創造の事例としては、キッコーマンのしょうゆのグローバル展開がある。キッコーマンは、第二次大戦後、来日した多くの米国人がしょうゆの味に親しんでいる姿をみて、「しょうゆは世界に通用する」と確信し、自信を持って海外展開に乗り出した。海外展開における戦略のカギは、和食を持ち込むのではなく、素材を選ばず、さまざまな料理になじむしょうゆの特徴を活かして、いかに現地の食材や料理にしょうゆを使ってもらうかという点だった。


初期に進出した米国では、スーパーマーケットを中心に、しょうゆを肉につけて焼き、試食してもらうデモンストレーションを行うなど、肉料理としょうゆの相性のよさを伝えていった。家庭料理への取り入れ方については、レシピを開発し新聞や雑誌などのメディアを通して広めていった。しょうゆと肉の組み合わせは、「TERIYAKI」という新しい市場を創造した。


他の地域でも、日本食の紹介とともに、地域の食材としょうゆの相性のよさをデモンストレーションなどにより五感で味わってもらい、国別にしょうゆの使い方やレシピを提案し、しょうゆの新しい可能性を拡大し続けている。その結果、キッコーマンのしょうゆは現在、世界100カ国以上で愛用されている。


最近では、キューピーが中国市場でマヨネーズによるサラダ市場を創造している例が面白い。生野菜を食べる習慣があまりなかった中国で、町内会などで野菜の影響を伝える地道な活動を続けて、消費者の知識・意識を変えて市場を創造している。


キューピーの社員が、中国の町内会などを回って、「カリウムが体内のナトリウムを排出する」など健康のために野菜が果たす役割を伝えている。こうした食育活動は2020年ごろから始められ、上海や北京市、広東省広州市に食育専門の約20人の社員を抱え、町内会や企業、学校、高齢者施設を訪問している。2024年度は約260回開催し計約1万7000人が参加。25年度は480回、参加者を3万人に増やすことにしている。


中国の高齢化に伴う健康志向の高まりも追い風となっている。医療費の増加が見込まれるなか、中央や地方政府は病気になる前の未病対策のために食生活の改善を人々に促している。こうした背景もあり、キユーピーの食育活動は公的な支援も受けている。


食育による需要創造の取組みを進めたこともあり、キューピーの中国での売上は、2020年から2024年の間に倍増している。自社の売上を拡大しつつ、中国の人びとの健康を増進しており、まさに「市場創造のCSV」と言えるだろう。


(参考)キッコーマンHP、「中国で食育、調味料を拡販 キユーピー」日本経済新聞

 
 
 

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