top of page

新型コロナウイルスに対する企業の取組み -社会の困難な課題に対して、自社は何ができるか?ー

  • takehikomizukami
  • 2020年3月28日
  • 読了時間: 3分

新型コロナウイルスの感染の広がりが止まりません。企業はこうした大きな社会的問題に対し、どう貢献できるかという視点を常に持つ必要があります。その際のキークエスチョンは、「自社の強みを如何に活用できるか?」です。また、製品・サービス、バリューチェーン、クラスターといったCSVの視点も重要です。それを問い、実践している企業が増えています。

製品・サービスに関する取組みとしては、 CO2からウォッカを作るスタートアップAir Co.が技術転用で手指消毒液を生産し寄付しています。Air Co.は、空気中からCO2を取り出し、太陽光などの再生可能エネルギーを使って水と混合し、純粋なエタノールを生産するという技術を持っているユニークな企業です。今般、エタノールは手指消毒液の主要な成分であることから、自社の技術やリソースを用いて、手指消毒液を生産し、寄付することとしました。

Air Co.のCEOで共同創設者のグレゴリー・コンスタンティン氏は、同社は社会を良くするという基本的使命に基づいて設立されたため、新型コロナウイルスのパンデミックに対して何ができるかを考え、同社の主力製品であるエタノールで、手指消毒液を作ることとしたそうです。そのために、生産能力の100%を手指消毒液の生産に切り替え、すべてを寄付するとのことです。

コンスタンティン氏は言っています。「すべての人と企業の小さな支援のひとつひとつが、こうした困難な時期に実を結びます。私たちはできることなら何でもやる覚悟です」。素晴らしいですね。

こうした動きは大手企業でも進んでおり、英酒造メーカーのディアジオもアルコールを使って衛生用品を製造し、寄付する取組みを進めています。

ユニリーバは、バリューチェーンに関する取組み、製品・サービス×クラスターの取組みを進めています。バリューチェーンに関しては、新型コロナウイルスの影響により資金繰りの苦しい中小規模サプライヤーを支援するため、通常より買掛を短く、売掛を長くしています。このために120億円を用意しています。また、製品・サービス×クラスターの取組みとして、地域コミュニティに対し、石鹸、消毒液、漂白剤、食品を総額120億円規模寄付することとしています。工場の生産ラインを改編し、消毒液を増産した上で、NGOと協働して地域の病院、学校等へ寄付します。また、60億円を、世界の保健機関に緊急援助している世界経済フォーラム(WEF)の「COVID Action Platform」に寄付します。

これからも、パーパスを持った企業による新型コロナウィルスに対する取り組み事例は、出てくるでしょう。「社会の困難な課題に対して自社は何ができるか?」こうしたときこそ、企業の本質が問われます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
コーポレートガバナンス・コードの改訂を機に、サステナビリティ方針を見直すべきではないか。

先般金融庁が提示したコーポレートガバナンス・コード(CGC)改訂案では、サステナビリティに関する記述を「第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働」から「第4章 取締役会等の責務」に移管し、原則で「取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティを巡る課題に積極的・能動的に取り組むべき」と規定している。これまでの「上場会社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る

 
 
 
IPBES報告書がビジネス環境のCSVを提唱

「生物多様性と自然」に関わる科学的評価を実施するIPBES(気候変動におけるIPCCに該当)が、初めてビジネスに焦点を当ててまとめた「ビジネスと生物多様性評価報告書」の政策決定者向け要約が発表された。 2026年10月にはCOP17が開催され、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)の中間レビューが行われる。2030年目標に向けた折り返し地点となるこのタイミングで発表された報告書は、企業や政府

 
 
 
「京浜工業地帯の父」浅野総一郎は、サーキュラーエコノミーの先駆者でもあった

私の故郷である富山県氷見市出身の偉人として真っ先に名前があがるのは浅野総一郎です。明治維新から日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦という激動の時代に、この先日本にとって必要となる事業は何か考え、石炭、セメント、海運、造船などの事業を次々と立ち上げ、京浜工業地帯の礎を築き、「京浜工業地帯の父」と呼ばれています。 浅野総一郎は、「九転十起の人」とも呼ばれ、失敗してもくじけない、不屈の精神でも知られていま

 
 
 

コメント


Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.

bottom of page