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教育を受けた女性の力を生かすことが、日本再生のカギを握る

男女格差は、日本が抱える大きな課題の1つです。毎年発表される世界各国のSDGsの達成度合いを評価した「Sustainable Development Report」では、環境関連の目標と並んで、SDGsの目標5「ジェンダー平等」が、日本が深刻な課題を抱える目標として挙げられています。


世界経済フォーラムが発表している、各国の男女格差の現状を評価した「Global Gender Gap Report」では、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位で、G7では最下位、中国や韓国よりも下位となっています。


本レポートでは、各国の男女格差を、経済、教育、健康、政治の4分野で評価しています。各分野の日本の順位は、経済121位、教育1位、健康63位、政治139位です。


ここで注目すべきは、教育が1位となっていることです。教育のスコアは、識字率、初等教育(小学校)進学率、中等教育(中学・高校)進学率、高等教育(大学・大学院)進学率で評価されており、日本の順位は、識字率1位、初等教育進学率1位、中等教育進学率1位で、高等教育進学率は、記載なしとなっています。高等教育進学率については、日本ではまだ男女格差があり、そこを含めると順位は下がると考えられますが、高校レベルまでは、世界トップの男女平等が実現できています。大学進学率についても、2021年で男子58.1%、女子51.7%で、格差は着実に小さくなっています。


すなわち日本では、教育を受けた女性の能力が生かされていないということです。ここを改善することで、間違いなく、日本の競争力は向上します。優れた能力を持っていながら十分にパフォーマンスを発揮できてない女性人材の能力を生かすことで、政治やビジネスの効率性が高まります。女性の発言力が増すことで、男性社会の既得権を打破し、過去のパラダイムに囚われた政治やビジネスの改革につながるでしょう。


日本の競争力上の大きな課題である「イノベーション創出力」の観点で考えると、女性が活躍することで、多様な感性や考え方が交わり、イノベーションが生み出される可能性が高まります。イノベーションの源泉となるアイデアは、「既存の要素の新しい組み合わせ」で、「新たに結合する要素が互いに遠いものであればあるほど、そのプロセスや結果はより創造的なものになる」とされます。すなわち、革新的アイデアは違いから生み出されるということで、似通った男性ばかりの組織より、多様性のある組織のほうが、イノベーションを生み出す力が高くなるのは間違いありません。


女性活躍は、男性を生かすことにもつながります。家族を養うために、組織にしがみついている男性は多くいます。組織を離れてリスクを取る人が増えたほうが、国としてのイノベーション創出力が高まると思いますが、「男性が家庭を守る」という社会のあり方がそれを妨げています。公務員でも、若い時は高い志を持っていても、家庭を持つことにより保守的になり、あるべき論を語り、改革に向けて行動することをしなくなる人がいます。こうした人が、本来の志を持ち続け、その実現に向けて行動することが、よりよい社会づくりにつながります。女性活躍を通じて、夫婦それぞれが十分な稼ぎを得られるようになれば、男性もリスクを取りやすくなります。


「女性活躍を促進すると、少子高齢化がさらに進むのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、それは誤解です。日本より大幅にジェンダーギャップ指数が高い(男女格差が少ない)欧米の国々が、日本より出生率が高いという事実がそれを示しています。夫婦が理想の子どもの人数を持たない大きな理由として、「経済的負担」が挙げられていますが、女性活躍が進むことは、この課題解決につながります。また、女性が働きやすい環境づくりは、子育てをしやすい社会づくりにつながります。


このように、女性活躍は、日本にとっては特に重要な課題です。日本再生のカギを握るといっても言い過ぎではないでしょう。日本政府は、「社会のあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合を30%にする」目標を2020年から2030年に延期していますが、本気のコミットメントと中間目標を含む具体的な計画が求められます。そして、配偶者控除などの女性活躍に反する政策の見直しを主要政策に掲げ、本気で実行すべきだと思います。

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