検索
  • takehikomizukami

個人は、SDGsにどう貢献できるか?

最終更新: 2019年7月27日

個人は社会にどう影響を及ぼすことができるでしょうか?以前にも書きましたが、基本的に個人は、生産者、消費者、市民の3つの顔を持っています。生産とは、「人間のニーズを満たす財やサービスを創り生み出す活動」で、狭義には、交換や取引の対象となる財・サービスの生産を意味しますが、広義には、自給自足的活動、家事なども含みます。消費とは、「人間の欲望を満たすために物財を費やす行為」で、寄付などもここに含まれるでしょう。ここでの考え方としては、投資も含めることとします。市民は、「共同体の構成員」で、市民活動は、共同体の政治、社会問題を解決する活動です。


すなわち、生産者は、主に労働力や知識を用いて経済的付加価値を生み出し、消費者は、主にお金を用いて消費・投資活動を行い、市民は、権利を用いて投票などで政治に参加するほか、時間や人的ネットワークを用いて地域コミュニティや環境を良くする活動などを実施します。


個人は、生産者としては、基本的にはSDG8「経済成長・雇用創出」に貢献していますが、それ以外にも、企業であれば、製品・サービスの特定に応じたSDGsへの貢献のほか、組織マネジメント、サプライチェーンマネジメント、さらには社会貢献活動を通じてSDGsに貢献することができます。組織の中の個人としての生産者ができることは限られるかも知れませんが、自分の担当領域を中心に、SDGsへの貢献と企業価値向上の両立を意識して活動することで、変化が生まれます。自分の担当以外でも、社内の啓発活動や社会貢献活動への参加など、いろいろとできることはあるはずです。


消費者としては、最近は、買い物を通じてSDGsに貢献する選択肢が増えています。FSC、MSC、ASC、RSPO、レインフォレスト、フェアトレードなど、様々な認証マークのついた商品が増えています。こうした商品を優先的に購入するほか、企業のSDGsへの取り組みを調べて、熱心に取り組んでいると感じられる企業から優先的に購入することもできるでしょう。また、エコバッグを使ったり、容器をリサイクルしたりするほか、環境に悪そうな商品をなるだけ買わないという選択もできます。最近私の周りには、週に1度月曜日は肉を食べないMeat Free Mondayを実践する人やペットボトル飲料を飲まない人もいます。その他、流通企業にSDGsへの取り組みについて投書することもできます。最初は面倒に感じられるかも知れませんが、ちょっとした意識付けを続けることで、習慣になっていきます。


また、お金を使ってSDGsに貢献するという意味では、寄付や投資を通じた貢献もあります。寄付は、形態や対象も増えていますので、自分の関心のあるSDGsの取り組みを行っている団体に寄付をしようと思えば、選択肢はあるはずです。投資については、ESG投資などの選択肢が増えているほか、個別に企業の取り組みを調べて応援の意図も含め投資することもできます。


市民としては、自治会の活動、子供のいる家庭では保護者会の活動、その他、ボランティア活動の機会もいろいろあるはずです。こうした活動を通じて、特定のSDGsに貢献できるほか、投票という市民の権利を使った貢献もあります。来週日曜は参院選の投票日ですが、各政党の公約をSDGsの関連で整理してみるのも面白いかも知れません。自分の関心あるSDGsの取り組みの関連で、投票先を選ぶこともできます。選挙は、お金をかけずに影響力を行使できる良い機会なので、使わない手はありません。


このように個人でも、いろいろとSDGsに貢献することができます。一人ひとりの影響力は限定的かも知れませんが、世界は、これまでも一人ひとりの意思決定、行動の積み重ねで変わってきました。これからもそれは変わりません。



16回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

新たな資本主義の形を追求する様々な動き

現在の資本主義は、格差、気候変動、生態系の喪失など様々な問題を生み出しており、サステナブルでないと考えられている。そこで、新たな資本主義を追求する様々な動きがある。 米国の主要企業が名を連ねる財界ロビー団体であるビジネス・ラウンドテーブルは、ステークホルダー資本主義を提唱している。株主至上主義の考えが根強い米国の主要企業の経営者たちが、株主至上主義を脱却し、ステークホルダー重視、「顧客への価値提供

格差問題を放置したままでは、CO2排出ネットゼロは実現できない

2050年までにCO2排出ネットゼロを実現することが、世界共通の目標となりつつある。しかし、その実現のためには、CO2を7%以上削減することが必要とされる。IEAによれば、世界の2020年のCO2排出量は、前年から5.8%減った。2050年CO2排出ネットゼロ実現のためには、新型コロナウイルスが猛威を振るい、人々の移動や飲食をはじめ世界経済を停滞させた2020年以上のCO2排出削減を毎年続ける必要

NEO三方よしによる持続的安定成長

以前、「三方よし」は、気候変動、サプライチェーンの人権や生態系破壊の問題への対応などグローバルな視点を持つ、慈善活動を超えてビジネスを通じたスケーラビリティのある社会課題解決の視点を持つといったことが必要と指摘した。 こうした課題に対して、最近は、三方よしを現代に則した形で進化させ「NEO三方よし」を提唱する動きがあるようだ。持続可能な地球を守るために時間概念を取り入れた「明日によし」を加えること

Copyright(c) 2019 Takehiko Mizukami All Rights Reserved.