中小企業でもサステナビリティ経営は可能なのか?
「中小企業では、サステナビリティにどう取り組めば良いのか?」という質問を受けることがある。サステナビリティは、リソースに余裕のある大企業が取り組むもので、中小企業では対応が難しいという印象があるようだ。
基本的には、中小企業でも、自社事業・バリューチェーンの正負の影響、機会・リスクを評価してマテリアリティを特定し、KPI/目標を設定してPDCAを回すといった基本的なサステナビリティ経営を実践することが望ましいが、体系的に取り組むリソースがないという場合は、まずは、今後、顧客からの要請がさらに強まるであろう、脱炭素や人権への対応、そして業界として特に重要な課題がある場合は、その課題に対応することで良いのではないか。
また、サステナビリティの動きが、産業構造やサプライチェーンを大きく変革し、長期的に事業に大きな影響を及ぼすこともあるので、業界への長期的影響に対しては、感度を高めておくべきだ。
気候変動については、まず温室効果ガス排出量を把握する必要がある。主要な排出源を特定し、排出量を計測または概算する。そのうえで、排出削減の取り組みが可能か考える。この辺については、顧客、金融機関、自治体などからサポートが得られる可能性があるので、聞いてみるのも良い。脱炭素の取り組みを進めていると、新たな事業機会が見いだせる可能性もある。
人権については、社員の意識醸成が重要なので、研修や社員にメッセージを発する機会を捉えて、意識付けするのが良いのではないか。差別やハラスメント、長時間労働、労働環境など基本的なところから対応する必要がある。人権に対する意識醸成は、人材の維持・確保にも良い影響を及ぼすだろう。
中小企業の優位性として、トップの考えを組織に浸透させ、迅速に取り組みに反映させやすいということがある。トップがその気になれば、サステナビリティについて、大胆な取り組みを進めることも可能だ。地域との結びつきが強い企業も多いので、地域のステークホルダーと連携して、地域と企業が互いに発展できる取り組みを進めることも、考えられるだろう。
その気になれば、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられるB Corp認証を取得し、B Corpコミュニティとともに、世界のサステナビリティに貢献することなどもできる。個人的には、B Corpのような、社会課題解決、社会価値の創造をパーパスに掲げ、それを第一義に追求していく中小企業が増え、その一部がスケール化していくことこそが、目指すサステナブルな世界の実現に重要だと考えている。


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