top of page
検索
  • takehikomizukami

マルチステークホルダー経営を如何に実践するか?ビジネス・ラウンドテーブルの方針に対応する3つの方法

2か月ほど前に、米国大手企業のCEO団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が、株主至上主義を見直し、マルチステークホルダーを重視する方針を打ち出し、話題になりました。この方針には、アマゾン、アップル、JPモルガン、ジョンソン&ジョンソンなどそうそうたる企業のCEOが署名しています。


最近は、こうしたサステナビリティに向けた方針を打ち出す企業や企業団体が増えていますが、問題は実践です。マルチステークホルダー経営をどう実践するか、サステナブルブランズの記事から3つの方法を紹介します。


1.パートナーを巻き込め!

社内外のパートナーと一緒に行動すべきです。従業員にコミュニティにポジティブ・インパクトを与える方法を考え、主張する機会を与える。従業員に製品やサービスを通じて社会インパクトを創造する時間とインセンティブを与える。そうした形で、従業員を巻き込むべきです。

外部パートナーも重要です。マテリアリティ評価を実施する、または既存のマテリアリティを見直し、自社ビジネスとステークホルダーの両方にとって最も重要な経済・社会・環境課題を特定します。そして、ステークホルダーにとっても重要な課題にフォーカスし、ステークホルダーと協働しながら取り組みを進めます。


2.自社のユニークなリソースを使え!

コミュニティ支援は、お金を与えるだけではありません。社会貢献としての寄付は社会インパクトを与える活動の一部ですが、企業にはそれ以上の取り組みが求められます。多くの企業は、製品・サービスをはじめ、従業員、サプライヤー、顧客およびそれらのパッションなど、様々なリソースを持っています。

自社のリソースを用いて、4P=philanthropy, people, product, partnershipsの観点で価値を生み出します。これらのリソースをレバレッジし、自社が本当にユニークな価値を提供できるようにします。従業員はどのような専門性を提供できるか、コミュニティのニーズに応えるユニークなサービスをどう提供するか、重要な社会課題を解決するために企業としてどのような最大の貢献がができるか、そうしたことを考えます。


3.透明であれ!

透明であることは、信頼を高めます。ESG活動のレポーティングなどを通じた情報開示を正しく行うことは、企業の評価を高め、多様なステークホルダーに求める情報と重要課題と活動に関するインサイトを提供します。企業は、ESGリスクにはできる限り透明であるべきです。企業がESGリスクを軽減するためにどう活動し、社会インパクトを生み出す活動でどうビジネス価値を生み出しているかは、非常に重要です。


コラボレーション、戦略的な自社ユニークリソースの活用は、企業が本質的な社会インパクトを生み出すために重要ですし、適切なESGコミュニケーションはステークホルダーとの信頼構築に必要です。マルチステークホルダー経営には、この3つは欠かせないものと言えるでしょう。

閲覧数:190回0件のコメント

最新記事

すべて表示

サステナビリティ推進にあたっての基本の1つは、バリューチェーン全体で考えることです。企業が新たな取り組みを進める場合は、グローバルの3大サステナビリティ課題である気候変動、生物多様性/自然資本、人権を中心に、バリューチェーン全体の環境・社会的影響を考慮する必要があります。 企業の取組みもそうですが、政策においても、バリューチェーン全体の影響を考慮する必要があります。特に、脱炭素の取組みにおいては、

徳島の高校でコオロギパウダーを使った給食を試食で出したことをきっかけに、昆虫食が大きな話題となっています。Twitterなどでは反対意見が圧倒的に多く、理由としては、生乳廃棄や人口減少などの国内事情を踏まえてたんぱく質不足対策としての昆虫食は必要ない、アレルギーなどのリスクがあるといったことがあげられています。 昆虫食開発の背景にあるのは、世界の人口増加および途上国の経済発展に伴い食肉需要が増加す

サステナビリティと経営、非財務と財務を統合して情報開示するツールとして、統合報告がある。統合報告は、サステナビリティ経営に取り組む原則3「自社事業、バリューチェーンに影響を及ぼす課題に対して、戦略的に対応する」を中心に、社内外のステークホルダーにサステナビリティに取り組む経営的意味合いを伝えるために活用すべきものだ。 統合報告の作成プロセスも、経営層をはじめ、社内の様々なステークホルダーとコミュニ

bottom of page