検索
  • takehikomizukami

パーパス実現の指南書「パーパス・プレイブック」

CSV推進の本家とも言えるFSGが最近「パーパス・プレイブック」を発行しました。企業は単なる経済成長の機関ではないという認識が広がり、利益や雇用を超える社会的存在意義が問われ、パーパスが重視されています。「パーパス・プレイブック」は、社会的価値と企業の利益・成長を両立させるCSVのアプローチを用いて、パーパスを言葉だけのお飾りではなく、具体的な計画や行動につなげるための指南書として作成されました。

「パーパス・プレイブック」では、パーパス実現に必要な5つの要素として、パーパスによる導き、カルチャー、戦略、オペレーション、人財を掲げ、そのうち、戦略、オペレーション、人財について、以下の9つのCSV活動を提示しています。

「戦略」:パーパスに基づき、未解決の社会課題に対応し、持続可能なビジネス環境を創造することで差別化するCSV戦略

1.機会の特定

ビジネスに好影響をもたらす、未解決の課題を含む社会・環境課題の機会を特定し、優先付けする。

2.差別化の源泉

自社のビジネスモデルと関連付けて、社会インパクトとビジネス価値の創造を結び付け、競合との差別化を生み出す機会を選定する。

3.戦略、ゴールおよびリソース

戦略を策定し、優先課題とゴールを定め、パーパスに基づきリソースを配分する。現在の取組みが生み出すネガティブ・インパクトを緩和する方法を定め、真摯にCSVを推進する強いガバナンスを構築する。

「オペレーション」:CSV推進組織は、未解決の社会課題に対する企業活動やアプローチとビジネスの成功に向けた課題を関連づける。それは、ビジネスと社会は共通の活動で相互に価値を生み出せるという考えを持つマインドセットとカルチャーに導かれる。

4.スケールするイノベーション

社会課題を共有し協働で解決策を生み出すためのオープン・イノベーションのプロセスを取り入れる。社会課題解決を再現しスケールすることができるアイデアを試す。

5.協力の新しいモデル

CSV実現に必要なプレーヤー、リソースおよびシステムを新しい方法で統合する。アプローチに真のパートナーシップと新しい協働がCSV実現に不可欠との信念を根付かせる。

6.測定と報告

CSVによるビジネス価値と社会価値を特定し、関連性と相乗効果を理解する。スケールするための将来の戦略、オペレーションの情報としてアウトカムを分析する。

「人財」:CSV推進組織はパーパスに導かれており、人財がビジネスのやり方を再構築するカギとなる。パーパスに導かれる企業は、やりがいのある活動と利益を超えた存在意義により人財を惹きつけ、維持し育成する。そして、協働を求め、失敗から学び、現状にチャレンジすうカルチャーを創造する。

7.組織デザイン

組織機能、セクターを超え、必要があれば競合、市民社会、政府などともCSV実現に向けて協働、協創を促進する構造、役割、関係、プロセスを創造する。

8.人財の獲得と発展

パーパスに導かれる人財を探し、惹きつけ、維持し、成長させる。すべての人財にCSVのマインドセットを植え付ける。

9.エンゲージメントとコミュニケーション

パーパスとCSVでコミットメントに基づき社内外の人財とエンゲージし、情報やストーリーで、コミットメントを深め維持する。

「パーパス・プレイブック」には、上記に関する詳細な内容、事例、チェックリストがあり、実用的なものになっています。パーパスやCSVの推進に向けて、広く活用して欲しいと思います。

48回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

新たな競争力の源泉「サステナビリティ・インテリジェンス」

「サステナビリティ」が新たな競争軸になりつつある。政策が急速に動き、「脱炭素」がビジネスのメインストリームでも注目を集めるようになっている。地球温暖化は、1992年の「国連気候変動枠組条約」のころから重要な問題と考えられてきたが、30年を経てようやく危機感が共有され、取組が本格化する流れとなっている。 ビジネスにおいても、2000年代半ばくらいから、一部企業は地球温暖化等の環境問題を重要な取り組み

脱炭素の「日陰」戦略を狙うべき!

一橋大の楠木建教授が「日陰戦略」というコンセプトを提示している。旬の事業機会である「日向」は競争が激しいので、「日向」が生み出す「日陰」を攻めるべきだ、そのほうがユニークな価値を創造できる可能性がある、という考え方だ。 競争戦略の本質は競合他社との違いをつくることにある。同時に、その「違い」は長期利益をもたらす「良いこと」である必要がある。しかし、そんなに「良いこと」であれは、他の誰かが手を付けて

SXに向けた本質的マテリアリティの重要性

「SX」、「サステナビリティ・トランスフォーメーション」という言葉が少しずつ広がっているようだ。SXは、サステナビリティを経営に取り込むことであり、より具体的には、「長期視な視座を持ち」、「従来外部不経済と捉えられて、企業活動の外側にあるものと認識されてきたサステナビリティ課題がもたらす機会・リスクを認識し」、「持続可能なビジネスモデル構築に向けて企業を変革する」ことだ。 SXを実現するためには、