“A good hockey player plays where the puck is. A great hockey player plays where the puck is going to be.” 「普通の選手はパックが今ある場所に、意識を集中している。だけど、素晴らしい選手ほどパックがこれからどこに向かうかに焦点を合わせているものなんだ。」史上最も優れたホッケー選手と言われる、元NHLのスーパースター、ウェイン・グレツキーの名言です。
この言葉は、故スティーブ・ジョブス氏なども好んで使っていましたが、企業経営にも示唆を与える言葉です。「パックの向かうところ-顧客が将来欲するもの」を目指して、製品やサービスを開発することは、非常に重要なことです。
サステナビリティが目指す世界、「すべての人々が環境の上限を超えない範囲で一定の豊かさを享受する」世界は、「パックの向かうところ」だと確信します。格差と環境の問題を解決しなければ、人類社会は持続できないでしょう。資本主義の基本システムが当面大きく変わらないとすると、政策、需要創造などを通じて格差や環境問題を解決する製品・サービスの顧客ニーズを創り出す必要があります。
世界の本当のリーダー企業は、政府やNGOと協働したルールメイク、消費者啓発、サプライヤーとの協働などを通じて格差、環境問題を解決する市場を創造していかなければなりません。具体的にどのような貢献をするか、どのような市場を創造するかは、各企業ならではのものとなりますが、それこそが各企業の本質的パーパスとなるはずです。
そうしたリーダー企業は、既存企業である必要はありません。Bコープなどがどんどん増える、自社ならではのサステナブルな社会への貢献をパーパスに掲げる新しい企業が生まれるなどが期待されます。
ビジネスパーソン以外の立場でも、消費者、投資家、市民などの立場で、パックをサステナブルな世界に向けて動かすことができます。
サステナブルな世界、サステナブルな製品・サービス市場は、パックの向かうところだと確信しますが、今は「パックを動かしていく」、「市場を創っていく」意識のほうが必要かも知れません。「本当にパックはそこに向かうのか?」という既存パラダイムに囚われた受動的問いではなく、「パックをそこに向けて動かす!」という能動的意思が重要です。
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