top of page
検索
  • takehikomizukami

サステナビリティリーダーズサーベイ2020

サステナビリティ専門家に、どの会社がサステナビリティのリーダー企業と考えるかなどを聞く、(サステナビリティ)リーダーズサーベイの結果が少し前に発表されています。具体的には、世界71か国700人以上の専門家に「サステナビリティをビジネス戦略に統合しているリーダー企業はどこだと考えるか。3社以内を回答して下さい」と聞いています。

1位はユニリーバで、実に42%がサステナビリティのリーダー企業と回答しています。ユニリーバが1位となるのは、サステナブル・リビング・プラン発表の2011年からで、10年連続となります。北米、欧州、アジア、南米、アフリカのすべての地域で、サステナビリティのリーダー企業と認識されています。

2位は、パタゴニアで26%。環境問題をミッションに掲げるパタゴニアは、今でもセンセーショナルなサステナビリティ広告として語られる、2012年のブラックフライデー前日にニューヨークタイムズで、「DON’T BUY THIS JACKET」「自社の商品を買う前に少し考えて下さい。無駄な消費はすべきではありません」と訴えかけた広告の翌年以降、8年連続2位の座を確保しています。

3位は、イケアで14%。RE100を主導するなど再エネ導入に積極的で、植物肉も提供するなど、衣食住の領域でサステナビリティを積極的に推進するイケアは、2014年頃から評価を高め、ここ5年は4位以内を確保しています。

4位は、インターフェイスで8%。1994年に、2020年までに地球環境へ与える負荷をゼロにする「ミッション・ゼロ」という目標を掲げたインターフェイスは、サステナビリティの先駆者と言え、2010年までは、トップの座を確保していました。その後もサステナビリティをビジネスの中心に据え続け、最近では海洋プラスチックを用いたカーペットを開発するなどしており、継続的に高い評価を得ています。

同じく4位にナチュラが入っています。ブラジルを代表する化粧品メーカーのナチュラは、天然由来の素材を利用した製品や環境保護への取り組みなど、サステナビリティの先進企業として通っており、Bコーポレーションにもなっています。ナチュラは、特に南米で、ユニリーバを押さえてトップに立つなど、高い評価を得ています。

その他、6位はダノン、7位はテスラ、8位はネスレです、テスラは、2014年以降のラインクインですが、8位までの企業は常連と言っていいでしょう。

9位は同点で、マイクロソフトとオーステッド。この2社は今年評価を上げています。マイクロソフトは、CO2を2030年までにカーボン・ネガティブを実現し、2050年までには、1975年の会社設立以降に排出したCO2と同量分の削減に貢献する計画を発表したことが大きいと思います。オーステッドは、洋上風力発電の最大手としてプレゼンスを高めており、昨年、2009年に掲げた、2040年までにエネルギー供給の85%を再生可能エネルギーで供給するとのビジョンを、21年前倒しで達成したことも影響したのかも知れません。

サステナビリティリーダー企業は、ユニリーバ、パタゴニアをはじめ、常連企業が上位を占める状況が続いてきましたが、ここに来て新しいプレーヤーも出てきています。世界的にサステナビリティが本格化し始めていることは、こうしたところからも見受けられます。

閲覧数:87回0件のコメント

最新記事

すべて表示

「危機に瀕する氷見を持続的に発展させていくためにどうすべきか。」短中長期の取り組み

私は、「故郷の氷見に貢献したい」と思い続けているが、この思いはどこから生まれているのか?氷見が本当に良いところだということもあるが、氷見で過ごした少年時代の日々が楽しかったことも大きいだろう。氷見の象徴である海越しの立山連峰を見るたびに、郷愁の念に駆られるとともに、また頑張...

「経営マテリアリティ」とは何か?それを特定することにどんな意味があるのか?

いつも「マテリアリティ特定はサステナビリティ経営において最も重要な取り組み」と言っている。それは間違いない。 サステナビリティ経営におけるマテリアリティとは、以下のいずれかだ。 ① 自社が大きな負の影響を及ぼしており責任をもって対応すべきイシュー...

「サステナビリティ」と「ESG」は異なるが、それを統合していくことが目指す姿である。

「サステナビリティ」という言葉と「ESG」という言葉があります。多くの人や企業は、この2つを特に区別せずに使っているようです。しかし、この2つは本質的に異なる概念です。(異なる概念として区別して整理すべきです。) 「サステナビリティ」は、経済的成長を求める資本主義の弊害とし...

コメント


bottom of page