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サステナビリティを成功に導く7つの役割

サステナビリティに向けた変革を誰が行うのか?パリ協定やSDGsなど、サステナビリティを推進する枠組みはありますが、サステナビリティを実践するには、人財が必要です。Carola Wiidoogen著”7 Roles to Create Sustainable Success”は、サステナビリティ推進のためには、組織に以下の7つの役割が求められるとしています。

1.ネットワーカー

サステナビリティ推進のためには、2つのネットワーキング、ステークホルダー・エンゲージメントと社内のネットワークが求められます。この2つのネットワーキングで、ステークホルダーの期待・要請を社内に浸透させ、サステナビリティでフォーカスすべき領域を特定します。また、ネットワーカーは、社会の動きを早期にキャッチし、企業にとっての機会とリスクを把握します。

2.ストラテジスト

企業にとってサステナビリティがどのような意味を持つのか、財務的利益をもたらすのか、リスクを軽減するのか、評判を高めるのか、イノベーションを促進するのかといった問いに答え、サステナビリティの経営にとっての意味合いを理解した上で、サステナビリティビジョンや戦略を策定します。

3.コーディネーター/イニシエーター

サステナビリティのミッション、戦略、計画、そして、企業の組織構造やプロセスにサステナビリティをどう組み込むべきかを良く理解し、組織におけるサステナビリティの実践をサポートし、促進します。

4.スティミュレーター/コネクター

コーディネーターがサステナビリティ推進の組織やプロセスを整備してお膳立てをした後、スティミュレーターは、社内の人材をサステナビリティの活動に巻き込みます。サステナビリティのアンバサダーとして、組織文化に影響を与え、望ましい行動を浸透させます。

5.メンター

メンターは、社内の人材をエンパワーします。サステナビリティが各組織にどう関係するのか、各個人の役割やキャリアにどう関係するのかを理解させ、人財を行動に駆り立てます。

6.イノベーター

サステナビリティの観点を組み込むことで、新たな製品・サービス、設計プロセス、新たなビジネスモデルなどでイノベーションを生み出すことができます。イノベーターは、サステナビリティが如何に企業に機会を生み出すについて、社内の理解を促進します。

7.モニター

サステナビリティの成果を測定し、報告し、分析し、企業のサステナビリティの取り組みが成功しているのか、失敗しているのかを示します。そのために、サステナビリティのフレームワークを活用します。

こうして整理してみると、確かに、サステナビリティ推進のためには、これらの役割が必要です。1人で複数の役割を担うことができる人もいるでしょうが、基本的には、サステナビリティ推進チームでこれらの役割を担うことになります。自社のチームに何が足りないか、何を強化すべきか、7つの役割に照らして整理することで、今後の人財の採用、アサイン、ディベロップメントに活かせるでしょう。

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