検索
  • takehikomizukami

すべての人は、生産者、消費者、市民として、サステナブルな社会づくりに貢献できる

すべての人は、生産者、消費者、市民の3つの顔を持っています。いつもは意識していないかも知れませんが、それぞれの立場で影響力を発揮することができます。そしてその影響力をサステナブルな社会づくりに活かすこともできます。


生産者としての影響力は、通常は仕事を通じて発揮されます。すべての仕事は何らかの価値を生み出していますが、3人石工の寓話の3人目のように、組織のパーパスを常に意識しで仕事をすることで、より本質的な価値が生み出せるでしょう。昨今は、サステナブルな社会に貢献するパーパスを掲げる組織も増えていますが、そうしたパーパスに共感し、それを意識して高いモチベーションを持って仕事をすることで、サステナブルな社会づくりに貢献できます。


消費者としての影響力は、通常は商品・サービスを選択的に購入することで発揮されます。エシカルな商品・サービスを意識して購入することは、サステナブルな社会づくりに貢献します。さらにそれをSNSなどで広げる、店舗にエシカルな商品の販売をリクエストすることなどで、より広く貢献することができます。


市民としての影響力は、選挙でサステナブルな社会づくりを政策に掲げる政治家や政党に投票するほか、コミュニティ活動などで発揮することができます。市民としての活動には自由度があるため、その気になれば、様々なことができます。グレタ・トゥーンベリさんの「気候のための学校ストライキ」は、大きな影響力を及ぼしています。


通常は、生産者、消費者、市民それぞれの立場でいるときは、その立場の思考回路になりきっていると思いますが、ときには、生産者として活動しているときに消費者や市民の意識になってみるといったように、意識を切り替えてみることも大切です。


生産者と消費者に関して、商品開発やサービス提供を行う生産者でいるときに、消費者の立場になって考えることは当然必要です。そのときには、消費者として高い感度を持っていることが重要でしょう。ただ、消費者の意識は多様ですので、組織としては、多様な消費者を内部に抱え、その消費者としての感性をうまく活かすことが必要です。これが、企業経営においてダイバーシティが求められている理由の1つです。エシカルな消費者としての意識が高い社員が多ければ、サステナブルな社会づくりに貢献する市場創造における事業機会を捉えやすくなるでしょう。BtoB企業であっても、消費者としての感度が高いと、製品・サービスの最終的な提供価値への想像力が高まると思います。


生産者と市民に関して、生産者でいるときは、利益を上げること、そのために競合に勝つこと、顧客を獲得することなどにフォーカスしており、社会課題に対する意識はおろそかになりがちです。しかし、昨今は、社会課題に対する配慮が不足していると、ステークホルダーから批判され、評判低下などにつながるリスクがあります。また、安心・安全、環境、教育、福祉など、市民としての人々の生活に影響する様々な社会課題に対応することは、従業員のエンゲージメントを高めることにつながりますし、ビジネス機会にもなります。社会課題への感度を高め、評判低下などのリスクを察知し、ステークホルダーを味方につけて競争力を強化するためには、社会課題に対して意識の高い市民であることが重要です。市民としての意識を高めるには、コミュニティ活動に参加することなども有効でしょう。


消費者と市民に関して、消費者の立場でいるときは、お財布の中身を考えて安い商品を購入することも多いと思いますが、市民の立場になって購買活動をすることで、社会課題を意識した購買につながるのではないかと思います。


自分には、生産者、消費者、市民としての役割があり、それぞれに影響を及ぼすことができることを意識し、それぞれの立場で、サステナブルな社会づくりにどう貢献できるか考えてみては如何でしょうか。そして、それを行動に移す人が増えれば、大きな影響を及ぼすことができるかも知れません。

11回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

「何故、企業は脱炭素に取り組まなければならないのか?」という問いに対して、多くのビジネスパーソンは、「それが社会的要請だから」と答えるのではないでしょうか。パリ協定を軸として、各国政府が脱炭素目標を掲げ、投資家などのステークホルダーも企業に脱炭素を求めています。こうした社会の要請、ステークホルダーの要請に対応する必要があるという考え方です。しかし、これは受け身の考え方です。受け身の姿勢の問題は、「

ダノンのCEOを今年3月に業績不振の責任により解任されたばかりのエマニュエル・ファベール氏が、ESG情報開示の今後のスタンダードをつくると見られている国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の議長に就任することが発表されました。 この人事は、欧米の失敗した人材に次の機会を与えるというカルチャーと、政財界出身で本気でサステナビリティを推進するリーダーの存在という2つの点を象徴しています。他の政財界

COP26で、グラスゴー気候合意が採択されました。1.5℃が共通目標となったこと、表現が弱められたとは言え石炭火力の段階的削減が明記されたこと、懸案であったパリ協定第6条の温室効果ガス排出削減量取り引きルールが合意されたことなどから、COP26は概ね成功だったと考えられています。 また、グラスゴー気候合意には、新しい内容が2つ盛り込まれました。1つは、温暖化ガスを吸収する森林などの自然と生態系の保