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「食」のサステナビリティが本格化している

衣食住は、我々の生活に欠かせないものであり、それゆえ、サステナビリティの観点からは、重要です。人口が増えれば需要が増えるものであり、生活が豊かになれば消費が増え、環境負荷も大きくなります。


そうした中、「衣」については、エシカルファッション、サステナブルファッションなどが注目され、人権や動物福祉、環境汚染に配慮したもの、リサイクル素材を使ったものなどが増えています。また、古着などのリユース、シェアリングサービスなども広まっています。しかしながら、ファストファッション型のビジネスが本質的に変わる傾向は、まだ見られません。


「住」については、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスが注目され、生育時にCO2を吸収する木材を利用した住居が改めて注目されるなどの動きはありますが、まだ限定的です。インテリアについても、リサイクル素材を用いたカーペットなどもありますが、それほど広がっている印象ではありません。


衣食住の中で、今最もホットなどは、「食」でしょう。数年前から注目していた人工肉は、急速に広がっています。


2年ほど前に、植物由来培養肉のハンバーガーを提供するインポッシブル・フーズ創業者でCEOのパトリック・ブラウン氏が、「インポッシブル・フーズは、2035年までに食物生産のテクノロジーとしての動物を不要にする。」「これまで、我々が知る植物を食肉に変えるテクノロジーは、動物だけだった。しかし、牛、豚、鶏、魚などは、植物を食肉に変えるには、極めて非効率だ。我々は、食肉を植物から直接生産するという、より良い食肉の生産方法を知っている。食物生産における動物の活用を不要にすることで、広大な土地で生物多様性を取り戻すことができ、食物安全保障の課題と世界の紛争を減らし、(環境負荷を軽減し)地球の自浄を可能にします。しかも、QOLを犠牲にすることなく。」と言っていました。


その時は、従来の牛肉のバーガーより、水利用を75%削減、温室効果ガスを87%削減、土地利用を95%削減するというインポッシブル・バーガーは、サステナビリティの専門家などの間では注目されていましたが、普及には時間がかかるだろうと考えられていました。しかし、現在では、インポッシブル・バーガーは、大手ハンバーガーチェーンで提供されています。


大手企業も人工肉市場に参入し、ネスレのCEOは、人工肉を「一世一代のチャンスになる」として、欧米および中国で供給体制を整え、中国では100億円以上を投じて工場を拡張しています。


新型コロナで畜産のあり方や食肉加工工程での集団感染が問題となる中、人工肉の売り上げは拡大していますが、食というものは、慣れが大事なので、新型コロナが人工肉のさらなる普及の大きなきっかけになるかもしれません。そうすると、インポッシブル・フーズCEOの掲げるビジョンも夢ではなくなるかもしれません。


「衣」「住」の企業も「食に」注目するようになっています。パタゴニアは、食、特に農業の環境影響に注目し、これまた注目の再生農業を実践しています。農薬、除草剤なしで、不耕起で栽培が可能で、土壌侵食を防ぎ、土壌への炭素固定能力も高い多年草のカーンザを原材料とするビールを販売しています。


また、無印良品は、栄養価が高く環境負荷の小さいコオロギせんべいを販売していますし、イケアは、レストランでサステナブルな食品を提供するほか、イノベーションラボのSPACE10で、海藻のスピルリナをパンに使ったホットドッグ、ミールワークをパティに使ったバーガー、根菜類で作ったミートボールなどを開発しています。


気候変動への食の影響が重視される中、食品企業に限らず、日本企業ももっとサステナブルな食品に注力すべきだと思います。

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