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「自社のサステナビリティ」=サステナビリティ経営という日本独自の解釈が、日本企業の環境・社会課題への対応を弱めているのではないか

  • takehikomizukami
  • 2025年1月31日
  • 読了時間: 4分

「自社のサステナビリティ」だと、サステナビリティ経営は、事業環境変化に適応して企業を長期的に存続させていく経営という意味になる。それだと、本来のサステナビリティ経営が目指す「環境・社会・経済のサステナビリティへの貢献・対応」とは異なるものとなる。


「自社のサステナビリティ」=サステナビリティ経営だと理解していると、サステナビリティとは関係のない事業戦略の柱をマテリアリティとして掲げ、環境・社会課題対応のマテリアリティとしての解像度が低くなりがちだ。組織としてのサステナビリティ・リテラシーも高まらず、場合によっては、環境・社会課題には、自社が存続していくために必要なレベルの対応だけすれば良いとなってしまう。


これだと、日本企業は世界のサステナビリティに貢献できず、場合によってはウォッシュと批判される恐れがある。


日本で「自社/企業のサステナビリティ」という言葉が使われるのは、Sustainabilityの意味を正しく解釈していないためではないかと思い、Chat GPTに聞いてみた。以下が回答だ。


(回答)

海外では “sustainability” という言葉を 「自社の存続(=企業の継続的な成長や存続)」 という意味で使うことは、基本的にはあまり一般的ではありません。


海外における “sustainability” の一般的な意味


“sustainability” は、通常 「環境・社会・経済の持続可能性」 という文脈で使われます。特に環境や社会的責任(ESG:環境・社会・ガバナンス)に関する話題と関連づけられることが多いです。


例えば、

•“Corporate sustainability” → 企業が環境・社会・経済の持続可能性を考慮した経営を行うこと

•“Sustainability strategy” → 環境負荷を減らし、長期的な企業価値を高める戦略


こうした表現では、「企業が存続するための戦略」ではなく、「企業が環境・社会・経済に配慮しながら持続可能な形で事業を展開する」という意味になります。


海外で「企業の存続」を指す表現


もし「企業の存続」や「事業の継続性」を意味したい場合、以下のような言葉が適切です。


1. Business Continuity(事業継続)

“Business continuity” は、企業がリスクや危機(自然災害、経済危機、サイバー攻撃など)に対応し、事業を中断せず継続できる能力を指します。

•“We have a strong business continuity plan to ensure long-term resilience.”

(当社は長期的な回復力を確保するために、強固な事業継続計画を持っています。)


2. Long-term Viability(長期的な存続可能性)

企業の存続可能性を示す表現として “long-term viability” があります。

•“Our long-term viability depends on adapting to market changes and technological innovation.”

(当社の長期的な存続は、市場の変化や技術革新に適応することにかかっています。)


3. Corporate Longevity(企業の長寿)

特に歴史ある企業や、長く続くことを目指す企業は “corporate longevity” という表現を使うことがあります。

•“Innovation is key to corporate longevity in a rapidly changing world.”

(急速に変化する世界で、企業の長寿にはイノベーションが鍵となる。)


4. Resilience(回復力・強靭性)

企業が困難を乗り越え、長く存続する力を指す場合は “resilience” もよく使われます。

•“Building financial and operational resilience is crucial for long-term success.”

(財務および業務の回復力を構築することが、長期的な成功には不可欠だ。)


結論


海外では「企業の存続」という意味で “sustainability” を使うことはほぼない ため、日本語の「自社のサステナビリティ」という表現をそのまま英訳すると誤解を招く可能性があります。


「企業の存続」を伝えたい場合は、“business continuity” / “long-term viability” / “corporate longevity” / “resilience” などの表現を使うのが適切です。

(以上)


「企業/自社のサステナビリティ」という日本独自の言い方が、日本企業のサステナビリティの環境・社会課題への対応を弱めている面があるように思う。「伊藤レポート3.0」で、SXの定義に「企業のサステナビリティ」が使われているなど、広まってしまっている状況ではあるが、サステナビリティ経営を普及・啓発する立場の人間としては、「企業/自社のサステナビリティ」という言い方の問題点を指摘していきたい。

 
 
 

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