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「危機に瀕する氷見を持続的に発展させていくためにどうすべきか。」短中長期の取り組み

私は、「故郷の氷見に貢献したい」と思い続けているが、この思いはどこから生まれているのか?氷見が本当に良いところだということもあるが、氷見で過ごした少年時代の日々が楽しかったことも大きいだろう。氷見の象徴である海越しの立山連峰を見るたびに、郷愁の念に駆られるとともに、また頑張ろうと気持ちが奮い立たされてきた。


その氷見が今危機に瀕している。能登半島地震により、多くの人が住む家を失い、仕事に多大な影響を受けた。また、直近の年間出生数は145人と衝撃的な数字だ。私が子供のころは6万2千人を超えていたが、今は4万2千人を切っており急速に人口減少が進んでいる。消滅可能性都市というのも現実味を帯びてきている。


氷見がこの危機を乗り越え持続的に発展していくにはどうすれば良いか?短期、中期、長期で以下に取り組んでいくべきではないかと考えている。


短期的には、能登半島地震からの復旧・復興が最優先課題であることは論を待たない。住む家をなくした人、仕事に大きな影響があった人、できるだけ早く、そうした人たちの生活を取り戻さなければならない。林市長が志半ばで退任されるというのは大変残念なことだが、林市長が進めてきている公費解体、災害公営住宅建設、液状化対策、これを着実かつ迅速に進めていかなければならない。


中期的には、氷見の強みを軸として雇用を生み出すとともに移住を促進する。


氷見の人口減少の最大の原因のひとつが雇用の不足だ。地形的に用水量が少なく、他地域とのアクセスも良くない氷見市は、大規模な工場などを誘致するには適していない。自然、食材といった氷見の強みを生かした雇用創出を考えるべきだ。


氷見が誇る海越しの立山連峰は、世界的にも唯一無二だ。これと漁場が近く新鮮で日本でもトップクラスに美味しい食材をかけ合わせれば、世界から観光客を呼べるはずだ。多言語で様々なチャネルを使って魅力的な情報を発信しインバウンドを増やす。これを核として観光産業で雇用を創出する。さらには、豊富な海と山の幸に保存や加工、調理方法などを組み合わせて産業化していく。自然の素材を余すことなく使い、そこに価値を付加していくアップサイクルにも可能性はあるはずだ。


一方で、外からの移住者を増やすには、観光の活性化と共通するが、氷見の良さを広く知ってもらうことが大事だ。氷見に移住してきた方からは、「富山県で住むところを探していて、氷見が一番いいと思った。海と山があり、漁港、商店街、宿もある。スーパーもあり住むにも良い。これだけ揃っているのは、日本中探してもないのではないか。昔ながらの文化や人のつながりもあり本当の豊かさがある。」といった話を聞いている。海と山に囲まれ、食べ物は美味しく、住むために必要なものが一通り揃っている。こうした魅力を広く伝えたい。また、人のつながりで氷見に移住してくる人もいる。日本全国および世界の多様な人たちとさまざまなつながりをつくることも大事だ。


長期的には、郷土愛の育成、地域コミュニティの強化、自然の再生が重要と考えている。


氷見に生まれ育った人で氷見にとどまる、氷見に戻る人を増やすには、郷土愛を育むことが大事だ。私がそうであるように、氷見が好きであれば氷見にいたい、戻りたいと思うだろう。学校教育の中で郷土愛を育んでいくこと、子どものころに氷見を楽しむ経験を持つこと、さらには氷見に住むことが氷見のためになるという意識を持ってもらうことが大事だと思う。


能登半島地震の際にも感じたが、災害時に互いに助け合えるような災害に強い地域にするには、地域コミュニティの強化が必要だ。少子高齢化が進み、地域の祭りやイベントなどの担い手が不足する中、新型コロナ禍が地域コミュニティの弱体化に追い打ちをかけた。地域のつながりを再度強めていく必要がある。


氷見の自然資源の産業としての可能性も追求していくべきだが、同時に氷見の自然も守っていくべきだ。山や川、海がきれいになれば、地域としての魅力も高まる。私の子供の頃は、近所にホタルが沢山いた。最近はホタルが鑑賞できるところがまた増えてきているようだが、自然環境が良くなればホタルももっと増えていくだろう。ホタルを氷見の多くの地域で見られるようになればいいと思う。それが観光資源にもなり、移住者を増やすことにもなるだろう。


こうした短中長期の取組で、氷見の持続的な発展に貢献していきたいと思う。

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